透析運動療法
偕行会グループでは2012年より透析中の運動療法を開始し、グループの全ての透析施設で実施しています。これまでに1,500名以上の方が運動療法に参加され、高い成果が得られています。
透析を受けている方は、体力や筋力が透析をされていない方の半分程度に低下しているといわれており、体力、筋量・筋力の低下を防ぐため、継続的な運動を促進しています。
1年間の運動療法効果
(偕行会グループ170例の調査結果)
運動療法を継続することで筋量や筋力は大幅に改善されるほか、持久力やバランス能力、歩行能力といった身体機能が総合的に改善されます。
一般的な加齢に伴う筋力の減少は年間1.5%程度ですが、運動習慣のない透析患者様は4%も減少します。これに対し、透析中の運動を継続すれば5%の向上が得られます。
筋肉量も、一般的な加齢に伴う現象は年間0.5%程度ですが、運動習慣のない透析患者様は2.5%も減少します。これに対し、透析中の運動を継続すれば3%の向上が得られます。
透析運動療法の流れ
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体力評価
健康運動指導士が現状の体力を確認し、どの程度の運動が行えるか適切に判断します
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運動開始
30分程度の運動を透析治療の前半に実施します
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定期評価
定期的に体力測定を行い、運動の効果判定を行います
透析中の
運動のメリット
血圧や透析状況を周囲の医療スタッフが見守っているため、安心して取り組むことができる
透析開始後は除水により心不全が改善し安全に行うことができる
血液の循環が良くなり、冷えや足つりの予防・改善が期待できる
透析日に運動を行うため、習慣化が可能となる
透析除去効率が高まる
運動療法
監修者
グループの
森山 善文
医療法人偕行会 透析運動療法統括部 部長
インドネシア国立ハサヌディン大学 特別講師
【資格】
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健康運動指導士
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腎臓リハビリテーション指導士
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心臓リハビリテーション指導士
【所属】
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日本腎臓リハビリテーション学会(代議員)
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透析運動療法研究会(世話人)
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日本透析機能評価研究会(世話人)
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日本臨床運動療法学会(評議員)
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日本心臓リハビリテーション学会
透析中の運動療法は、体力や筋力を向上させるだけでなく、透析中の血液循環を高め「透析の質」を向上させます。