透析Q&A

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Q273.

透析施設で看護師をしています。 最近、静脈圧が高くてクロットしやすい患者さんがいます。 看護師の中には「夏はクロットしやすい人が多いから」 と固まる前にすぐ回路交換します。 季節によって固まりやすいという根拠はあるのですか? 個人的にはヘパリンの量や今貧血の治療剤の治験をやっているので 回路交換でなく、そちらのほうを詳しく調べたほうがいいと 思うのですが、お考えをお聞かせいただけますか。

(1)クロットとは何か

クロット(clot)は血液が固まること、 それによって血液の流れが止まってしまうことを指します。
「クロットする」といったように動詞としても使われます。

ご質問でのクロットは、透析で使用するダイアライザーの中か 透析回路(ダイアライザーの前後のチューブ)内で血液が固まってしまい、 治療の継続ができなくなることをおっしゃっているものと思われます。

血液は血管内から出ると固まる性質を持っています。
これはとても大切な働きで、出血が止まるために不可欠なことです。
ですが、透析治療ではこの血液が固まる性質がとても邪魔になります。
そこで、ヘパリンと呼ばれる血が固まらなくなるクスリ(抗凝固剤)を 持続的に注入しながら血液を回します。
ヘパリンが大量に(必要以上に)体内に入ると、出血が止まらなくなる危険が ありますから、ヘパリン量を必要十分なところに調節するのも 透析スタッフの大切な仕事です。

ヘパリンの必要量は患者さんごとで異なります。
しかも、ご質問にあるように、これまではクロットしなかった方が なにかのきっかけで回路内凝血をするようになることが時々あるのです。
血液が固まってしまうと、その血液を体内に戻すことはできませんから、 固まった血液ごと回路を捨てて、新しい回路を用意することになります。

なお、クロットという言葉は「シャントクロット」というように シャントの流れが止まってしまう時にも使います。
これも、血管の中で血液が固まってしまうことが原因です。

(2)クロットしやすくなった原因について

私の経験では、夏だからといってクロットしやすいということは ないと思います。

その患者さんが、以前と比べてクロットしやすくなったのであれば 原因は季節以外にありそうです。

治験薬を使用していて、それが貧血の治療薬であれば まずその薬剤を疑うことは大切です。

しかし、実際には、クロットしやすくなった原因が よくわからないこともあると思われます。

(3)対策方法について

頻繁に回路を交換されると、患者さんが不安に 感じられることはありうると思いますので、 回路交換でない対策方法もご紹介させていただきます。

当院では、ヘパリン量を増やしたり、抗血小板薬を併用したり、 場合によってはダイアライザーの膜を変更したりして対応します。
この点は、ご質問の通りだと考えます。

ヘパリンの量をある程度頻繁に調節しなければいけないケースは、 決してまれではありません。

回路やダイアライザーを交換するときにきちんと返血ができていて、 また、返血時に生食が入るでしょうから、回路交換後の除水計算も きっちりとできていれば、患者さんへのデメリットは それほどないとは思います。

[回答日 2010/5/18]

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