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「プレ」は「〜の前にある」という接頭語ですので、
プレショックはショックに陥る直前の状態、といった意味です。
医者は全般的に(透析医療に携わるものだけではなく)
「プレショック」という言葉を使います。
まず、ショックについてですが、ショックは、
「心拍出量の減少または血管の虚脱のため、重要臓器に
生命を維持するのに必要な血液の供給が得られない状態」
という定義がなされています。
簡単に言ってしまえば、血圧が下がってしまって(あるいは
血管が強力に収縮してしまって)、重要な臓器(たとえば
脳や肝臓など)に必要な血液が送られずに、命に危険が
せまっている状態、ということです。
透析医療においてはどのようなものでしょうか。
血液透析中は、除水といって、血液の中から水分を除去しています。
除水中に血圧が下がることはしばしばあります。
また、除水を行っていなくても、透析を行っている間に
末梢の(手や足の)血管がひらいてしまって(上で述べた「収縮」では
ありません。その逆です)、やはり血圧が下がってしまうことがあります。
これらの血圧低下に対して、除水を止めたり、血圧を上げる薬を
使ったりなどして、血圧を維持するように対策を講じるのですが、
それでもショックに陥ってしまうことが、まれにあります。
ショックについては、ご理解いただけましたでしょうか。
さて、プレショックについてです。
ショックまではいかないけれども、そのまま悪くなってしまったら
ショックに陥ってしまったであろう、と想像される場合に
医療従事者が「プレショック」という言葉を使うことが多いです。
この言葉は、医療従事者が仲間内で使う言葉で、厳密な定義はありません。
そのため、患者さんやそのご家族への説明に、使うのは、少し不適切な
感じはしますが、どういう状態かはわかっていただけるのではないかと思います。
さて、ショック(あるいはプレショック)は、透析中に生じる可能性が
あるのですが、命に関わる合併症ですので、その対策は重要です。
透析中に、このような状態になる方は、ご高齢の方や、糖尿病の方、
肺炎などの重症の合併症があり、全身状態が悪い方が多いです。
安全な透析治療を受けられるように主治医の先生とよく相談される
ことをおすすめします。
[回答日 2003/6/24]
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