[回答]
透析シャントに穿刺をする際に、針を刺す方向についての呼び方が、施設によっても異なっているようです。ご質問の、遠心性と求心性ですが、その血管を流れる血液が心臓から遠ざかっている場合は遠心性、心臓に帰って行く方向の場合は求心性と表現します。
標準的な手首にある自己血管のシャントの場合、手首から肘、肩に向かって血液が流れていますから、その方向は求心性ということになります。
順行性と逆行性と表現する場合は、血液の流れる方向だけを考え、その流れが心臓から遠ざかるかどうかは問題としません。
上記のように自己血管あるいは人工血管のシャントの場合には、求心性と順行性は同じ意味となり、遠心性と逆行性が同じ意味となります。
ですが、例外が動脈の表在化でして、この場合は血液の流れは心臓から遠ざかる遠心性が順行性となります。
ややこしいですし、誤解を招きやすいですね。
私はシャントの方向を上流・下流と表現しますが、これも表在化動脈の場合には反対となってしまいます。
最初に書きましたように、各透析施設での表現が異なる場合があります。
最も間違いが少ないやり方は、それぞれの患者さんのシャントを写真に撮らせていただいて、その写真に赤や青で矢印を記入するやり方だと思っております。
コメント