[回答]
透析をお受けになっている患者さんへの運動処方は、 個々のケースによってかなり異なります。
主治医の先生とよく相談しながら、ご自分にあった運動を 許可された範囲で行うようにしましょう。
まず注意する点です。
透析患者さんのほとんどの方に貧血が合併しています。
心機能が低下していることがしばしばありますし、 筋肉量の低下も珍しくありません。
透析治療が長期にわたっている人の中に、骨が悪くなっている人が いることにも注意が必要です。
10年以上の透析歴をお持ちの方では、特に女性では軽い負荷でも 骨折してしまうことがあります。
次に運動の良い点をお話ししましょう。
透析患者さんの運動は、適切に行われれば中性脂肪の減少、 HDLコレステロール(善玉コレステロールですね)の上昇、 耐糖能の改善、高インスリン血症の改善、降圧剤の減量、 抑うつ状態の改善、といったさまざまな好ましい反応が得られることが 報告されています。
どの程度の運動強度、運動時間、頻度がいいのかは、 残念ながらきちんとした指針が作成されておりません。
透析患者さんでは、筋肉量が減少すると生命予後が悪くなることが 言われています。
筋肉量を維持するためには運動は必須ですので、 主治医の先生とよく相談をしながら、 長続きする運動の仕方を習得していただきたいと思います。
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