透析Q&A

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[Q28]血液中の二酸化炭素濃度は透析とどのような関係があるのでしょうか?


 

[回答]


まず、透析患者さんの場合、血中の二酸化炭素濃度は、むしろ正常よりも 低値であることを、知って下さい。


われわれの血液のpH(ペーハー)、つまり酸性かアルカリ性かですが、 これはきわめて狭い範囲に調節されています。

具体的には、7.35-7.45と、弱アルカリになっています。


血液のpHを決定するのは、二酸化炭素濃度と重炭酸イオン濃度です。

二酸化炭素が増えればpHは低下します(酸性に傾くということです)。

重炭酸イオンが増えればpHは上昇します(アルカリ性に傾くということです)。


それぞれの濃度を決めるのは何でしょうか。

二酸化炭素の濃度を決めるのは、呼吸の深さと回数です。

一方、重炭酸イオンの濃度を決めるのは腎臓で、尿の中に どれだけ重炭酸イオンを捨てるかになります。


さて、透析患者さんでは、腎臓のはたらきがほとんどなくなってしまって 血液の中の重炭酸イオン濃度が減少してしまっています。

つまり、血液は酸性に傾いているのです。

これを「代謝性アシドーシス」といいます。


たとえば、血液のpHが7.30になってしまっているのです。 そうすると、呼吸をつかさどる中枢が刺激されて、患者さんが 自覚しないところで、呼吸が深く、回数も多くなります。

そうすることによって、血中の二酸化炭素濃度を下げて、 下がってしまったpHをなるべく正常範囲に近づけようとしているのですね。

これを、「呼吸性代償機能」といいます。


ですから、血液透析では重炭酸イオンを補って、この「代謝性アシドーシス」を補正しようとしています。

補正が理想的になされると、呼吸の方も正常化して血中の二酸化炭素濃度も正常範囲に近くなるのです。


この血液のpHの調節は、血液透析治療の中で、 とても大事な役割の一つです。


[回答日 2002/5/19]

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