[回答]
糖尿病から血液透析を始められた場合、食事療法が大きくかわることが多く、 カロリーをどう摂取して良いかについて混乱する方もいらっしゃるようです。
具体的には、カロリー(エネルギー)を摂りなさい。といわれたり、 逆に、カロリー(エネルギー)を摂るのを控えなさいといわれたりすることを どちらが本当なのだろう?と悩まれるようです。
まず、カロリーを摂りなさい、ということについてお話します。
カロリーが不足すると、体を構成しているタンパク質をこわして、 それを燃やしてカロリーのかわりにするように、人間の体はできています。
タンパク質が壊れると、老廃物(尿毒素)の尿素窒素が上昇したり、 カリウムの値が上がってきたりします。
ですから、保存期の腎不全の時から十分なカロリーを摂るように 指導されます。
では、どのくらいのカロリーが必要かというと、 体重1kgあたり35-40kcalと言われています。
これは、糖尿病食からは大きくかけ離れています。
糖尿病食では、その方がどれくらい体を使うかにもよりますが、 体重1kgあたり25-30kcalのことが多いです。
ところが、今度は糖尿病のこと、血糖のコントロールのことを考える必要が あります。血糖のコントロールが悪化すると、動脈硬化が進んだり、 網膜症が進行したりする危険が大きくなります。
このようなことはぜひとも避けたいのです。
そこで、日本腎臓学会では、糖尿病の透析患者さんの食事療法では、 一日に摂っていただきたいカロリーを体重1kgあたり30~35kcalと しています。
ちょうど上にあげた数字の真ん中になっています。
人によって摂っていただきたいカロリーは異なりますが、 仮に30~35kcalとしますと、これを下回っているようでしたら、 「もっと食べなさい」ということになります。
この時、もしも血糖が上がってきてしまうようでしたら、 クスリを増やしたり、インスリンを増やしたりして対処をします。
逆に、35kcalを超えてしまっていて、血糖も高いようでしたら、 「もっと減らしなさい」ということになりますね。
しかし、糖尿病食に慣れている方は、とても35kcalを超えた食生活は していないと思われます。
食生活を振り返ってみて、カロリーの計算をしてみるとよいと思われます。
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