[回答]
まず、頭痛だけであったら、不均衡症候群を考えます。
尿毒素がたくさん除去されるために引き起こされる頭痛で、 通常は透析の導入期に多いのですが、透析を始めてから しばらくが経過し、透析に慣れたころに、この不均衡症候群が 出現することも、珍しくはありません。
毒素がたくさん抜けるために引き起こされる症状ですから、 心配はないことが多いのですが、頭痛がひどくなると不快ですので、 透析中にグリセオールという点滴を行ったりします。
また、好ましいことではありませんが、透析のたびに 鎮痛剤をおのみになる方もいらっしゃいます。
さて、高血圧も伴うとのことですので、頭痛の正体は 不均衡症候群ではなく、この高血圧からくるものかも知れません。
透析をお受けになっている方の高血圧の原因にはさまざまなものがあり、 主治医の先生がおっしゃるように「原因不明」ということも まれならずあります。
まっさきに考えるのは、ドライウェイトが適切かどうかです。
除水が不十分だと血圧が高くなります。
また、透析を行うと血圧が高くなるのであれば、レニン-アルドステロン- アンジオテンシン系という、血圧を上げるホルモンがですぎている 可能性もあります。
レニンは腎臓から分泌されるホルモンなのですが、 腎機能が悪くなった方では、このホルモンが必要以上に分泌されて 高血圧を引き起こすことがあります。
そして、数は多くないのですが、上にあげたホルモン以外で 血圧を上げるホルモンにエピネフリンというものがあるのですが、 このエピネフリンが分泌されすぎても、血圧は上昇します。
現時点では「原因不明」ということですので、 おそらくこれらのホルモンの測定は済んでいるものと思われます。
そうなると、高血圧の原因はよくわからないことも多いです、という お答えになってしまうのです。
血圧が高くなってしまうことの対処は、おおざっぱに言ってしまえば 2通りしかありません。
ドライウェイトを下げるか(除水を強化するか)、降圧剤を 増やしていくのかですね。
どちらの方法がよいのかは、おからだの状態にもよりますから、 主治医の先生とよく相談をしてみてください。
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