[回答]
2004年6月現在、お答えできる目安をお話します。
リンについて説明します。
以前はリンの目標値は、透析前で6以下とされていました。
ところが、この数値では異所性石灰化を予防できないことは かなり以前からわかっていたのです。
昨年の6月から塩酸セベラマー(レナジェル)というリンを下げる クスリが使用できることになったこともあって、リンを積極的に さげるようになってきています。
そこで現在では、透析前のリンは4.5前後を目標としている 施設がふえています。
透析後のリンは2以下になるなど、一時的にリンが下がっても、 透析前のリンが高いよりはずっといいと考えています。
次にカリウムです。
カリウムの目標値は、透析前で5.5以下としている本が多いのですが、 最近は「カリウム制限をもう少し緩くしてもいいのではないか?」という 先生がふえてきています。
私もそのように考えていて、6.0くらいまでは問題ないと 思っています。もちろん、これには反対する意見もあって、 5.5以下を厳守する先生もいらっしゃいます。
また、仮に、透析前のカリウムが4.5という場合は、 かなり余裕がある数値になりますが、これもリンと同様で、 高いよりはずっといいです。
ですから、透析前が4.5では低すぎる、ということは ないと思います。
低カリウムは筋肉の力を弱くさせて、脱力感を生じたり、 場合によっては不整脈が出てくることもありますが、 いずれにしても、高カリウムよりは安全です。
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