(質問のつづき)
前の病院の先生と長い間の信頼関係があるので、そちらで薬を処方してもらっています。 透析の先生が「うちで処方するので指示通り服用してほしい」とおっしゃいます。どうしたら良いのでしょうか?
[回答]
● どちらを選ぶかはよく相談してください
心臓、リウマチ・エリトマトーデスを診ていただいているのをA先生、 透析の先生をB先生とよぶことにいたしましょう。
結論から申しあげますと、 最終的には、ご自身が、A、Bどちらの先生に受診するのかを 決めていただいてよろしいかと考えます。
これまで心臓やリウマチ・エリトマトーデスなどを長いこと診てくれていた A先生の方が、あなたのお体のことをよくご存じで、安心して受診を されることができる、というお気持ちはよくわかります。
● 透析医が自分で薬を処方したい理由もあるのです
一方、透析医の側としては、週に3回(あるいは2回)も顔をあわせているのだし、 定期的な血液の検査もしているのだから、透析患者さんのお体については 責任を持っていきたい、という気持ちになるのです。
透析医には、腎臓内科を専門とする医師と、泌尿器科を専門とする 医師がいます。
透析の主治医であるB先生が腎臓内科を専門としていれば、なおさら そのように考えるはずです。
というのも、腎臓内科医には腎臓だけではなく、糖尿病や高血圧や リウマチ・エリトマトーデスといったいわゆる膠原病もあわせて 自分の専門領域としている医師が多いからです。
(ですから、病院によっては「腎臓高血圧内科」とか、「腎臓膠原病科」という 看板を出しているところが、大学病院を含めて、たくさんあります。)
ところで、A先生はどのようにお考えになっているでしょうか? これも一般論ですが、透析を始められるようになって、他の医療機関に 紹介した後は、もとの病院の主治医は、その後の定期的な検査や お薬の処方を、その透析施設の医師に任せることが多いと思います。
2週間に一回とか月に1回の受診では、普段の様子がよくわからないことも 多いからです。
A先生が、定期的に受診を勧めてくれるようであれば それにしたがっていただいてよいのではないかと考えますので、 A先生に確認してみるのも良いと思います。
● 慢性疾患では相性も重要ポイントです
最後になりますが、 患者さんと医師の関係には、「相性」というのも重要だと思います。
これは、「信頼」とはちょっと別の感覚だと思いますが、 どんなに優秀で、「信頼できる」先生でも、「相性がわるい」、 ということがあるのではないかと思います。
慢性疾患であればなおさらです。
相性がよいかどうかも、どちらの先生に今後の診療を任せていくのか、を 決めるにあたっての重要なポイントとしてよろしいかと考えます。
どちらにしても、安全で快適な透析治療をお受けになることを 心からお祈り申し上げます。
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