[回答]
●ヘマトの目標値
ヘマト(ヘマトクリット値)は、一定量の血液中に存在する 赤血球の容積の割合を示した数字です。
ヘマトは、高ければ高いほどよい、というわけではありません。
透析をお受けになっている方の場合、目標とするヘマトは 30から36程度と考えられています。
これも主治医の方のご判断になりますが、38という数値は 注意が必要ですが、ヘマトが高すぎるための弊害が出てくる という程でもないように思われます。
ヘマトが高すぎるための弊害が出てくるのは、40を大きく超えて 45だとか50になったときです。
38ではいけないということはありませんから、注意をしながら 安心して透析治療をお受けになっていただいてよろしいと考えます。
●ヘマトが高すぎる場合の問題(1)
ヘマトが高すぎて問題となるのは、ご質問にあるとおり、 血液の流れが悪くなることです。
血液の粘稠度(ねんちょうど)といいますが、簡単に言ってしまえば テレビなどでやっているドロドロ血液とサラサラ血液の、そのドロドロの 程度を粘稠度と呼んでいます。
ヘマトがあがりすぎると、この粘稠度が増してきて、 テレビ流に言えば血液がドロドロになってくるのです (ただし、実際にドロドロになるわけではありません。テレビでは かなりオーバーな表現になっているので注意が必要です)。
●ヘマトが高すぎる場合の問題(2)
またもう一つの問題は、ヘマトが高くなると透析効率、 つまり、透析での毒素の除去が悪くなるのです。
同じ時間透析をお受けになって、ダイアライザーも同じ、 血流が同じでも、ヘマトが高い方は毒素の除去が悪くなります。
Comments