透析Q&A

  • いい透析ドットコム

[Q204]家族が透析治療をはじめました。心臓の合併症とはどのようなものなのでしょうか?


 

[回答]


● 心臓の合併症について


透析が必要となってしまった、重症の腎不全の合併症の中で もっとも注意が必要なのが心臓の合併症です。


慢性腎不全の治療として透析をお受けになっている方では、 動脈硬化が進展しやすいことが知られています。


この動脈硬化によって、冠動脈という心臓に酸素と栄養を運んでいる 血管の血の流れが悪くなり、心臓が酸素不足・栄養不足となります (これを「虚血性心疾患」と言います)。


また、これとは別に、透析前にお体に水分が貯まって、それを透析で 除去してということを繰り返すうちに、心臓の筋肉が弱ってくることも あると言われています(「透析心」という言葉を使う先生もいらっしゃいます)。


これらの心臓の合併症は、透析が長くなればなるほど出現しやすく、 20年を超えると、重症・軽症の差はありますが、かなりの方に 心臓の合併症が見られるようになります。


心臓の仕事は血液のポンプであり、全身に血液を送ることですが、 虚血性心疾患や透析心によって、このポンプとしての役割が十分に できなくなると、「心不全」という状態に陥ってしまいます。

体のさまざまな部位で、血液が不足する一方で、心臓が送れなくなった 血液は肺に貯まってしまいます。このような状態となると、自覚症状としては 息切れや呼吸困難が出てきます。呼吸困難は夜中に出やすいことが 知られています。


● 治療について


治療としては、手術などで冠動脈の血液の流れを改善させたり、 心臓の働きを助けるお薬を使ったりします。

次にニトロですが、このお薬には大きな問題となる副作用はありません。

安全性の高いお薬です。


私たち透析医は、このような合併症の予防と治療に取り組むことも 重要な使命の一つと考えて、日常の診療に携わっています。

予防法、治療法にはさまざまな進歩がみられていますが、 それでも100%の解決とはまいりません。

ですから、透析医療、合併症対策のさらなる進歩のために、 日々、努力していかねばなりません。


[回答日 2007/12/12]

関連記事

[回答] ●骨密度が低下しやすい 透析をお受けになっている方は、骨密度が低下しやすいことが知られています。 ●治療方法について 治療としては、飲み薬や注射の薬が使われます。 新しい薬も出てきています。 ご質問にあるように、注射の薬で、骨密度がかなり改善するものも使われるようになってきました。 ●副作用について しかし、どの薬であっても副作用を考える必要があります。 どの薬がよいのかは、他の検査(副

(質問のつづき) 頸椎に少し炎症が見られているそうで、化膿性頸椎炎と説明がありました。どのような原因が考えられるのでしょうか? [回答] ●化膿性頸椎炎について 化膿性脊椎炎(お母様の場合は、頚椎ですので化膿性頚椎炎です)は、免疫の力が低下した人に時々みられる感染症です。 透析をお受けになっている方にも起きることがあります。 ●原因として考えられること ご質問では、カテーテルを刺したところから菌が

(質問のつづき) 挿入部はガーゼでテープ止めや保護フィルムなどで覆っているのでそれを取るような事はしませんが痒くて手がそこに行くようです。私は経験ないので母の痒みがどんなのか分かりませんが、その挿入部の痒みは取れないのでしょうか?これからずっと一生続くものなのでしょうか? [回答] ●痒いという訴えは比較的よくお聞きします 私たちはカテーテルの挿入部を「刺入部」と呼んだり「出口部」と呼んだりしてい