[回答]
大切な奥様が透析をお受けになっており、 しかも体調が思わしくないご様子、 さぞご心配をされていることと拝察いたします。
主な症状は、足の痛みと歩行時の心臓の症状のようですが、 文面から拝見をすると、心臓の症状の方が、 心配な印象があります。
少し歩いただけで、心臓がバクバクする、とのことですが、 透析をお受けになっている方では、心臓の合併症が 生じやすいことが知られています。
現在、腹膜透析と血液透析とを併用されているようですが、 これは腹膜透析での除水が不十分なためではないでしょうか?
もしそうだとすると、心臓への負担を軽減するために、十分な除水、 現在よりもドライウェイトを下げる除水が必要なのかも知れません。
また、ドライウェイトが適切であっても、心臓に酸素や栄養分を送る 動脈(冠動脈と言います)が狭くなってしまい、虚血性心疾患という 合併症を生じても、心臓の働きが悪くなって、奥様のおっしゃる症状が 出ることがあります。
さらに心臓のバクバクする感じが、不整脈に由来する可能性も あります。透析をお受けになっている方では、この不整脈も多いことが 知られています。
いずれにしても、心臓の検査(レントゲン、心電図、心エコーなど)の 結果をお聞きになって、必要があれば心臓の専門医の先生と 相談する必要があると考えられます。
これまでの検査の結果はどうなのか、主治医の先生と相談してみてください。
次に、足の痛みですが、これは安静時、つまり歩いていなくても痛みが 出るのでしょうか?
あるいは、運動をしたときだけ痛いのでしょうか?
痛みが生じている場所が、関節の場合と筋肉の場合とがありますが、 ご本人は、そのどちらかなのか、ご自分の症状から大まかに 気がつかれているはずです。
関節の痛みであれば、透析を13年お受けになっている女性ということで、 骨が悪くなってきている可能性は少なくないと思います。
カルシウムやリンのコントロールがよいのかどうか、 最近の骨の検査の結果が悪くなっていないのかどうかを検討する 必要があります。
また、筋肉の痛みの場合には、筋肉そのものが悪くなっているのではなくて、 足の筋肉に酸素と栄養を運ぶ血管が、動脈硬化などで細くなってしまって、 足の痛みを出すことがあります。
末梢動脈障害などと呼ばれており、透析をお受けになっている方に多い 合併症として、問題となっています。
また、複雑な話になってしまうのですが、脊柱管狭窄症という合併症も あり、これもまた足の痛みを生じることがあります。
このように足の痛みも、上に書きましたように、原因として考えられるものが さまざまありますので、主治医の先生と相談をして、整形外科や 血管外科(あるいは循環器科)の受診を検討してみてください。
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