[回答]
透析中の低血糖は糖尿病の方でも、糖尿病のない方でも ときどき見られるものです。
●透析治療中の血糖低下の原因
簡単に説明をしますと、血液中のブドウ糖濃度(つまり血糖ですね)は 次の3つの因子から決定されます。
(1)肝臓および腎臓からブドウ糖が血液中に供給されること
意外かも知れませんが、腎臓は血液にブドウ糖を供給しているのです。
腎不全になると、この供給量が減ってしまいます。
(2)インスリンの作用
腎臓が悪くなって透析が必要なほどになると、インスリンが オシッコの中に捨てられにくくなります。
そうすると、結果的にインスリンの効果が長続きをすることになります。
つまり、血糖が下がりやすくなるのです。
(3)透析によるブドウ糖の除去
多くの透析液ではブドウ糖濃度が100mg/dLに調整されています。
ですから、理論的には、血糖が100以上ある時には、透析液の中に ブドウ糖がある程度捨てられてしまうことになります。
さて、上記の(1)から(3)のバランスによって、血糖が決まります。
(1)によってブドウ糖が血液中に供給されにくくなり、(2)によって インスリンの作用が持続・増強することにより、血糖が下がりやすく なるのです。
●透析治療中の血糖低下の対策
頻繁に低血糖を生じるのであれば、あらかじめ透析前に ブドウ糖をおのみになって(あるいは1単位から1.5単位程度の補食をして)、 血糖を上げておくのがよろしいかと考えます。
血糖が下がってからブドウ糖を注射することも悪くはありませんが、 血糖が下がることがわかっていれば、あらかじめ血糖を 上げておく方がよいかと思います。
主治医の先生にも、ご相談なさってみてください。
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