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透析Q&A

  • 執筆者の写真いい透析ドットコム

[Q239]私の叔母が透析を受けて8年になります。最近、透析をしている時の血圧が200以上になり、除水して、透析が終わったあと、急激に血圧が100くらいにさがり、足首がつけないほど痛くなるそうです。

(質問のつづき)

先生は、骨はなんともないとおっしゃっているそうです。 この1ヶ月ほど、暑くなり、夏バテでカロリー不足で 痩せてしまったのもあったので、5日前から食事の量を増やし様子をみています。 足の痛みはしばらくすると治ります。血圧からくるものなのでしょうか?

 

[回答]


●お困りの症状をまとめてみます


現在、叔母様がお困りの症状は次のようにまとめることができると思います。


(1)透析中の血圧の上昇

(2)透析後半から終了後の血圧低下

(3)透析後の足首の痛み

(4)夏バテによるものと思われる食欲低下とやせ


この4つの症状について、1つずつご説明させていただきます。


●透析中の血圧の上昇について


(1)の血圧上昇は、普段の血圧がそれほど高くなくて、透析中の 一時的な上昇だけであれば、それほど心配はないと思います。

叔母様の場合には、(2)のように終了時には血圧は下がってしまうのですね。

透析中の血圧は低いよりも高めの方が、お受けになっている方は楽なことが 多いです。


●透析後半から終了後の血圧低下について


血圧の上昇よりも、むしろ、(2)の血圧低下の方が問題です。

透析治療は血圧が下がりやすい治療ですが、その下がり方には いくつかのパターンがあります。


たとえば、透析を開始してからすぐに血圧が下がり始めて、そのまま 右肩下がりに血圧が低下する方もいらっしゃいます。


叔母様の場合は、透析中はむしろ血圧が高めで、終了時に急に 血圧が下がるようですね。


このような場合は、まず除水量が多くないかどうかを考えます。

透析間の体重増加が多すぎないでしょうか?


次にドライウェイトが適切かどうかも検討をする必要があります。

ただ、(4)のようにお痩せになってきているようですから、ドライウェイトが きつくて、あげる必要がある、という可能性は小さいように思われます。

水分制限がきちんとできていて、ドライウェイトが適切であれば お薬や除水方法による血圧の維持を図ります。

これは、透析スタッフや主治医の先生と相談をしながら決めていただく ことになります。


●透析後の足首の痛みについて


次に(3)の足首の痛みですが、これは「こむら返り」とは違うのでしょうか?


透析終了間際から、終了直後にこむら返りが起きることはしばしば経験します。


叔母様の痛みが、足首の痛みと表現されていますが、 こむら返りの多くはふくらはぎの痛みですから、 別のものなのかも知れません。


痛みは一時的なものであり、しばらくすると治ってしまうようですから こむら返りでなくても、透析治療により誘発される痛みであることは ほぼ確かだと思われます。


こむら返りは除水によって引き起こされますので、 (2)と同じことになりますが、除水量が多くないか、ドライウェイトが適切か どうかを考え、お薬としてはカルシウム剤や漢方薬を使います。


叔母様の足首の痛みが、こむら返りではなかったとしても、 透析治療が引き金となって生じている症状であれば、 除水やカリウムの除去、カルシウムの上昇などの変化が 何らかの影響を及ぼしているものと推測されます。


このうち、やはり除水が一番影響をしている可能性が あるように思われますので、(2)と同様、水分制限が適切なのか ドライウェイトを上げることができないのかを考えたいと 思います。


●夏バテによるものと思われる食欲低下と痩せについて


最後は夏バテについてです。

夏になると毎年のように猛暑のニュースですし、確かにここ数年の 夏の暑さは尋常ではありません。

夏バテに対する特効薬はないのですが、できるだけ栄養のバランスが とれるように、しかも、すでに実践されているように エネルギー(カロリー)が確保されるように、そうして 水分が多くなりすぎないように工夫をしてみて下さい。

実際にはとても難しいことだと思います。


叔母様の痛みや血圧低下が解決して、快適な透析ライフを お過ごしになるよう、心からお祈りいたします。


[回答日 2009/4/14]

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