[回答]
●間欠性跛行と原因として考えられること
ご質問にあるように、歩くとしばらくするうちに痛みが出てくる症状を 「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」といいます。
この間欠性跛行の原因としては、主なものとして2つが考えられます。
1つは「脊柱管狭窄症」です。
これは腰のところで背骨(脊椎)に変形などがおきて、 足に行く神経を圧迫するために症状が出るものです。
もう1つは「閉塞性動脈硬化症」、最近では「末梢動脈疾患」と呼ばれているものです。
これは、動脈硬化によって足の筋肉に届く血液の量が減ってしまい、 筋肉が必要とする酸素や栄養分が不足してしまうものです。
この2つは、長期透析の合併症として多いものであり、また 最近この合併症に悩まされる患者さんが増えていることが 知られています。
●間欠性跛行の原因を究明するためには
間欠性跛行は上の脊柱管狭窄症でも末梢動脈疾患でも出現し、 症状からだけではほとんど区別できません。
ただ、末梢動脈疾患では腰痛は出ないことが多いですから、 可能性としては脊柱管狭窄症の方が大きいのではないかと推測されます。
もうひとつ、末梢動脈疾患では、足に行く血液が少なくなっていますから、 特に冬の寒い時期などに、足が冷たくなる症状が出やすくなります。
そういったことがないとすれば、なおさら脊柱管狭窄症の 疑いが濃厚になります。
脊柱管狭窄症は整形外科でMRIなどの検査によって診断・治療されます。
また、末梢動脈疾患を専門に診るのは循環器内科や心臓血管外科です。
ですから、専門科が異なるのですが、上に書いたように、 脊柱管狭窄症の方が可能性が大きいように思われますので、 まずは整形外科を受診されてみては如何でしょうか?
●足のあちこちが熱くなる症状の原因として考えられること
足の痛み、足の趾(ゆび)のしびれ感も脊柱管狭窄症や 末梢動脈疾患でよくみられる症状です。
ただし、足のあちこちが熱くなるという症状は別のものと思われます。
この症状は、やはり透析の合併症とされていますが 「burning foot(燃える足)」と呼ばれています。
尿毒素が原因で出現する症状と考えられていて、 透析強化(つまり毒素をさらにたくさん除去すること)や、 お薬(ビタミン剤や漢方薬などを使用します)での治療を試みますが、 なかなか症状が取れない方が多いのが現状です。
足がほてって眠れないなど、睡眠障害の原因ともなりますので、 できるだけこの症状を軽減させたいと思います。
まずは、透析で十分に毒素が除去できるように、 透析時間・ダイアライザー・血流など、主治医の先生と相談してみて下さい。
また、HDF(血液濾過透析)という治療が有効なことがあります。
ただし、このHDFはすべての透析施設で行われているわけではありません。
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