(質問のつづき)
これは一般的なことでしょうか。転院をした方がいいのか悩んでいます。
[回答]
●自己申告しないと対処しないということはありえない
患者様のデータをチェックして、それに対して処方の内容や、定期の注射薬の変更を随時していくのは、言うまでもなく主治医をはじめとして医療者の責任です。
自己申告がなければ、投薬内容が変わらないというのは、おかしなことだと考えます。
もちろん、患者様から「このデータでよいのか?」「ヘマトが低いからもう少し上げたい」と疑問や要望を出されることも何ら問題はありません。
●チームで患者様をみていくことが大切
当院では、透析治療の際には、非常勤医を含む複数の医師で、必ず回診させていただいています。
回診は必ずしも主治医が行うわけではありませんが、データのチェック漏れがないように情報共有を行って対処しています。(たとえば、非常勤医でも定期処方の内容変更や定期の注射薬の投与量の変更はしています)
さらに、看護師や臨床工学技士もデータに目を通して、異常値や目標範囲を外れた結果があれば、主治医や当日の回診医に知らせるなど、チーム全体で患者様をみるようにしています。
言い訳になってしまいますが、透析医や腎臓医は全国的に不足しており、医師だけですべてのデータをもれなく把握することは極めて難しいのが現状ですので、看護師・臨床工学技士のサポートが重要です。
それによって、より密度の濃い透析治療が実践できていますので、当院では、看護師・臨床工学技士の教育システムをきちんと整備するなどスタッフ教育に力を注いでいます。
●転院も1つの選択肢
透析をお受けの方にとって、転院は重大な決心を必要とします。
転院した先が、今よりももっと満足度の低い治療しか提供してくれない可能性もないとはいえません。
しかし、透析治療は長いおつきあいとなります。
ですから、患者様にとっては、納得されて治療をお受けになることがとても大切です。
そして、私たち医療従事者は、患者様にご納得をしていただける治療、満足していただける治療を提供できるように、スタッフが一丸となって努力し、実現することは使命です。
現在の施設に不満をお持ちになりながら、今後も治療をお受けになるのであれば、転院をお考えになるのも1つの選択肢かもしれません。
Comments