(質問のつづき)
医者からは「このままでは1年もたない。いつ死んでもおかしくない体だ」と言われたそうです。原因不明の腎不全の場合、寿命は長くないのでしょうか?
[回答]
●腎不全の原因について
腎不全の原因が不明で、気がついたときには透析が必要なほど悪くなっていたというのは、それほど珍しいことではありません。
とくに、お若い方の場合は、体力があるため、腎臓が悪くなっても自覚症状が出にくく、結果としてわかったときには透析が必要であったという経験は、私にもあります。
腎臓病は初期のうちであれば腎臓が悪くなった原因(原疾患といいます)がわかるのですが、透析が必要なほど腎臓が悪くなってしまうと、何が原因で腎臓が悪くなったのかわからなくなってしまうのです。
●今後の治療方法について
腎臓が悪くなってしまったことは残念ですが、腎臓が働かなくなっても透析という治療で、腎臓の働きの肩代わりができます。
また、腎臓移植という方法も考えられます。
●生命に関わる状況であるかについて
腎不全の原因が不明だと寿命は長くないのかというご質問ですが、必ずしもそういうことはありません。
ただし、腎臓が(気がつかないうちに)だんだんと悪くなっていく段階で、腎臓以外の臓器(心臓や消化器)に負担がかかったり、骨や血管にも悪影響がでる場合があります。
これを合併症と呼んでいますが、もしかすると心臓等が悪くなっているのかもしれません。
それでもその合併症だけで1年以内に亡くなってしまうということは考えにくいと思われます。
ご親族の方が聞き違いをされているのかもしれません。
ご家族をまじえて、もう一度説明をしていただたほうがよいかもしれません。
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