透析Q&A

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[Q326]95歳になる祖母が医師から「腎臓が数%しか稼動していない」と言われました。今から透析治療をしても・・・と思ってしまいます。

(質問のつづき)

まだまだ自分のことは自分で出来る祖母ですが、透析治療をした方がいいのか迷っています。メリット・デメリットをお聞かせください。

 

[回答]


●透析治療を開始するか否かの判断


腎臓の働きが数%と言われたとのことですが、おそらく血液検査のクレアチニンという項目の値から計算をして、eGFRのデータが10を下回っているということだと思われます。


腎臓の働きが10%を下回ると透析治療の適応となります。

もちろん、検査データだけではなく、その患者さんのお体の調子も拝見しながら透析治療を行うかどうかを決めていくのですが、基本的には体調が悪くなるより前、つまり、まだ自覚症状がそれほど出ていないときに透析を始めた方がいいことが以前から指摘をされています。


お祖母さまは自分のことは自分でできる、とのことですから、体調はそれほど悪くないものと推察いたします。

そうすると、医師としては「今のうちに透析治療を始めた方が良い」ということをすすめることになるのです。


ただ、これは私ども医療従事者の言い分ですから、ご家族としては95歳となるお祖母さまが透析を始められることにとまどいや抵抗があることはよくわかります。


●透析治療のメリット


メリット・デメリットを、とのことですが、これも一概にはいいにくいところがあります。


メリットですが、透析治療は働きが悪くなった腎臓の肩代わりをする治療ですから、ある意味生命維持の治療ということになります。

つまりは透析をお受けにならないときよりも長生きができるということになるのです。


血液中に蓄積した老廃物(尿毒素)が透析によって除去されますから、検査データはもちろん、体調もよくなるはずです。


ただ、体調がいいうちに透析を始めましょう、ということになると、もともと自覚症状がなかったのですから、透析を始めても自覚的には変化が感じられない、ということも少なからずあります。


●透析治療のデメリット


デメリットですが、まずあげられるのは生涯続ける必要がある治療だということです。


1ヶ月行えばそれで治療が終了、というわけにはいきません。

もし、ご本人(やご家族の皆様)が現在の95歳というお歳を天寿であると判断されているのであれば、治療をお受けにならないで自然の経過に任せる、という選択肢ももちろんあるのです。


次に通院についてです。

透析治療の方法が血液透析であれば、週に3回程度は医療機関に通院する必要があります。

つまり時間的な制約が出てきますし、通院の手間を考えなければならないということになります。


次に体調についてです。

血液透析は尿毒素を除去するのだから、お体にとっていいことをするのですが、実際には治療中に頭痛がしたり吐き気がしたり、大変だとおっしゃる方もおみえになります。


食事の制限も生野菜や果物、水分などいろいろなものに及びます。

そう言いながら、透析をしながらの人生を楽しんでいる方も多いので、決して苦痛だけの治療であるとは思わないでいただきたいと存じます。


●腹膜透析について


勧められている透析治療が腹膜透析であれば、食事制限は比較的ゆるやかです。

治療中の吐き気や頭痛もほとんどありません。


ですが、腹膜透析は原則としてご自宅で行う治療ですから、治療の手順をご本人やご家族に慣れていただかなければいけません。


治療は毎日行なうのが普通です。血液透析と異なり、腹膜透析の場合には、ある程度ご家族にご協力をいただくことが必要になると思います。


また、腹膜透析の場合にはアルブミンという重要な栄養分が除去されてしまうことがデメリットとしてあげられます。

腹膜透析を選択された場合、その除去されてしまうアルブミンを補えるように、がんばってお食事が摂れるように、食欲が低下しないように気をつける必要があります。


●よくご相談されてみてください


主治医の先生がお勧めになっている治療方法、お祖母さまやご家族が透析治療をお受けになるとした場合、選択をされる治療方法は血液透析でしょうか、あるいは腹膜透析でしょうか?

ご紹介したように、それぞれに特徴と一長一短がありますので、この点に関しても主治医の先生とよく相談をしてみて下さい。


もちろん、その前段階として、透析治療をお受けになるのかどうか、できればご本人の希望を尊重しながらご家族でよく相談をしていただきたいと思います。


[回答日 2012/4/25]

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