(質問のつづき)
血管は7cm程度盛り上がっているのですが、盛り上がった部分に針をさすと激しい痛みがあり、 その上部の太くない部分に針を刺しています。いつも透析中引っ張られる様な痛みがあります。盛り上がった部分に刺すと激痛なのは、どうしてでしょうか?
[回答]
●シャント血管痛
シャントは標準的には手首の腕時計をするあたりで作ります。
「7cmほど盛り上がっている」とのことですが、これは血管が太くなっているということですよね。
もしそうだとすると、手首から前腕の半分くらいのところに針を刺すと痛みがでるということだと思われます。
シャント血管痛などと呼ばれていますが、針を刺すときに痛くなることと、透析中に痛みが持続しその痛みのために透析を継続することが困難になる痛みとがあります。
●針を刺すときの痛みについて
針を刺すときの痛みは、激痛とのことですが、これは皮膚の下にある神経の痛みのことが多いと思われます。
血管ではなくても、針を刺せば痛みが出ますが、それと同じ仕組みで出る痛みです。
これが、他の場所に比べて極端に痛いのであれば、その部分の神経が鋭敏になっている(感じやすくなっている)のではないかと推測されます。
せっかく血管が太くなっているのですが、もし痛みを感じやすい部分であればそこに針を刺すことは難しいと思われます。
皮膚の下の神経の痛みであれば、ペンレスやユーパッチと呼ばれる、局所麻酔用の貼り薬によって軽くなることがありますが、お試しになったことがあるでしょうか?
●透析中に痛みが持続すること
次に透析中に痛みが持続する血管痛ですが、これは皮膚の下の神経の痛みではないようです。
ほとんどの場合、ペンレスなどの局所麻酔も効きません。
この痛みが起きてくる仕組みはよくわかっていません。
針を刺す場所をかえてみたり、針の素材や滅菌方法をかえてみたり、いろいろな工夫がされるのですが、これが確実という対策がないので、透析をお受けになっている方にとっては、この痛みはとても悩まされるものです。
透析中の引っ張られるような痛みというのは、この痛みかもしれません。
どちらの痛みも、つらいものです。
透析治療中はなるべく快適にお過ごしいただきたいですから、主治医の先生や看護スタッフと相談をしながら、対策を立ててもらってください。
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