(質問のつづき)
たんぱく質を多く食べたり、透析時に薬を入れたり、飲み物をプロテインや豆乳飲料、アミノ酸(BCAA)ゼリーなどにしてみましたが、効果が得られていません。 主治医の先生が腎臓・透析の専門医ではないこともあって、このままアルブミンが低いままで本当に大丈夫なのか?とても不安です。
[回答]
●血液中のアルブミンについて
透析をお受けになっている方に限らず、血液中のアルブミンは、とても重要なタンパク質の一つです。
これが1.8~2.0というのは、かなり低い値です。
●アルブミンが低下してしまう原因(1)
アルブミンが低下してしまう原因は、大きく分けて2つあります。
原因の1つめは、アルブミンが作られないことです。
アルブミンが作られないために、血液中のアルブミンが低下してしまうとすれば、それはアルブミンの原材料であるアミノ酸が不足している可能性があることを考え、アミノ酸を補給してみることは、意味のあることです。
点滴に薬を入れたり、経口で摂取するプロテイン・アミノ酸ゼリーなどは、この「アミノ酸を補給する」方法となります。
もし、材料であるアミノ酸を補給してもアルブミンが上昇してこない場合は、アルブミンを作る工場である肝臓の機能に問題がないかどうかを調べます。
●アルブミンが低下してしまう原因(2)
原因の2つめは、アルブミンがどこかへ失われることです。
アルブミンは作られてはいるが、どこかに失われていれば低くなってしまいますので、以下の2つの可能性を考えます。
1つは、尿の中にタンパク尿として捨てられていないか?
もう1つは、ダイアライザーからアルブミンが除去されてしまっていないか?ということです。
透析歴が7年とのことですから、尿の量はかなり減ってきているものと推測されます。
そうすると、尿の中にアルブミンが捨てられて、血液中のアルブミンが低下するという可能性は大きくないと考えます。
●ダイアライザーからアルブミンが除去されてしまう場合
アルブミンが失われる経路としてダイアライザーが考えられます。
最近のダイアライザーは性能をよくして、多くの尿毒素を除去できるようになっています。
これには大きなメリットがあるのですが、体に必要な物質、特に重要なアルブミンも抜けてしまうというデメリットもあります。
たくさんの尿毒素(特に分子量の大きな尿毒素)を除去するために、このようなダイアライザー(ハイパフォーマンス膜と呼ばれます)を使用していたり、さらに治療の方法を、通常の血液透析ではなく血液濾過透析(HDF)をしているようでしたら、アルブミンが回復するまで、ダイアライザーを通常のものに戻すなどの方策を講じた方がよいと思います。
●まとめ
まずは、肝臓のアルブミンを作る働きがきちんとあるかどうかを確認し、さらに、治療方法がアルブミンまで除去されるものになっていないかどうかをチェックする必要があると思われます。
主治医の先生が腎臓・透析の専門医ではないとのことで、ご心配かと思いますが、上記のことについて相談をしてみて下さい。
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