top of page

透析Q&A

執筆者の写真いい透析ドットコム

[Q385]透析治療を始めて4年目です。4時間透析を行なっていますが、透析後半頃になると不整脈が発症します。

(質問のつづき)

心房細動との診断ですが脈の拍動はトンーートンーートンという(除脈)のと、トントトトートントトトー(頻脈)のがあり、脈拍数が30台になったり110台になることもあります。低カリウムによる発生ではないか?と言う事でカリウムを出来るだけ摂るようにしていますが改善はみられません。アブレーションと言う処置もありますが「必ず治る!」と言うものでもないと聞きますので、どうしたら良いか困っています。

 

[回答]


●心房細動と思われます


脈のリズムの変化から「心房細動」と思われます。

この心房細動は、一日中脈が跳ぶタイプの「持続性」と、ご質問者さまのように、「何かのきっかけ」で脈が跳び始め、いずれ自然におさまる「発作性」とに分けられます。


したがって、この場合は「発作性心房細動」という診断になるのですが、これを予防するのは困難なことがしばしばあります。


●カリウムについて


先に「何かのきっかけ」と書きましたが、透析治療でカリウムが低下することと、除水が進行することの両者が影響をしているように思われます。


ですから、カリウムを意識的に増やしていただいても、心房細動が出現してしまっているのだと思います。


ただし、単純にカリウムを更に増やせば良いのか?というと、今度は透析治療前のカリウムが上がり過ぎてもいけませんから、「もっと生野菜や果物を食べてください」というわけにはいきません。


●アブレーションについて


不整脈治療としてアブレーションが普及し広く行われるようになっていますが、心房細動に対する治療の効果はいまだ確実ではありません。


それで、よく選択されるのは薬物療法、つまりクスリということになります。

ただし、不整脈に対するクスリには多彩な副作用があります。


また、どのクスリを選べばよいかという点に関しては、十分な経験を必要とします。

さらに、クスリを飲んでいただけば確実に心房細動を予防できるというものでもありません(ただし、かなり効果が出る方もいらっしゃいます)。


ですから、主治医の先生とよく相談されて、不整脈科あるいは循環器科の専門医の先生を受診されるかどうかをお決めになるとよろしいかと考えます。


●合併症に注意してください


なお、心房細動では、心房内血栓という、心臓の部屋の中で血液が固まる合併症があります(発作性であってもあります)。

この血栓(血のかたまり)がはがれて心臓から流れ出ると脳梗塞の原因となりますので注意が必要です。


すでにお受けになっているかもしれませんが、心エコー(超音波検査)で心房内血栓がないかどうかは確認しておいてください。


血栓を予防するクスリがありますが、透析をお受けになっているかたの場合はメリットとデメリットをきちんと考えてからクスリを使うかどうかを決める必要があります。

この点に関しても、透析の主治医の先生とよく相談をしてみてください。


[回答日 2014/9/25]

Comments


bottom of page