(質問のつづき)
また、非低アルブミン血症患者が心不全を悪化させて心臓に負担がかかっている時には心胸比は大きくなりますが、低アルブミン血症患者の場合は、心胸比は大きくならないのですか?
[回答]
●肺水腫について
イメージとしては堤防が決壊するように、ということでよいと思います。
実際に、自覚症状としての呼吸困難や息切れは、徐々にというよりは急激に出現することが多いようです。
一方、自覚症状が出現する前を考えた時に、肺の毛細血管から水分がにじみ出してくるかどうかは、静水圧と浸透圧で決まってきます。
自覚症状はないけれど肺水腫が徐々に起こりつつある、ということもあるのです。
これは、胸部のレントゲンで肺に水分が貯留しているように見えたり、血液検査で、血液中の酸素が正常値を下回っていることなどで推測できます。
●心胸比について
心胸比が大きくなる時は、原則として心臓に何らかの負担がかかっている時です。
低アルブミン血症の方では、血管内の水分は浮腫として血管外に逃げてしまっていますから、この状態で心臓に負担がかかることはありません。
ですから、低アルブミン血症のみで心胸比が大きくなることは普通ないと思っていただいて結構です。
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