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透析Q&A

  • いい透析ドットコム

[Q535]人工透析を始めて2年近くになる86歳の母についてです。昨年の夏ぐらいから透析の後にとても疲れるようになりました。

(質問のつづき)

その頃は3時間半の透析時間でしたが、透析後の体重が減らないので、今年から4時間になりました。それでも二日開いた後の透析の朝は辛そうで、透析後の疲れ方も以前以上になりました。何かしてあげられることはあるでしょうか?

 

[回答]


御高齢のお母様が血液透析をお受けになっていて、透析後の疲労感が強い御様子、御心配のことと拝察いたします。


●疲労感の原因


若くて元気な方でも、血液透析のあとには疲労を感じる方が少なくありません。


いわば血液透析は疲れる治療、ということになります。


疲労感の原因はさまざまですが、一番影響するものは「除水」と考えられます。


血液透析では老廃物(尿毒素)の除去とともに、お体に溜まった水分を取り除きますが、この水分除去が疲労感の原因となります。


お母様の場合も、中二日空いた日(週の始めですね)の血液透析が一番つらいようですが、これは中二日空くとそれだけ水分が溜まり、血液透析での除水量が増えるからです。


●透析治療時間を延ばす理由


時間あたりの除水量が増えると、疲労感が増したり、心臓に負担をかけることがあるために、お母様も透析時間を延ばして、時間あたりの除水量を少なくできるようにされているようですね。


この理屈で言えば、4時間の治療時間を4時間半とか5時間に延ばせば、さらに疲労感は減る(心臓への負担も減る)ことになります。


しかし、実際に患者さんに時間延長をお勧めすると、「ただでさえ疲れるのに、時間を延ばせばさらに疲れるからイヤだ」と拒否されてしまうことが多いのが実情です。


●透析治療時間延長以外の対策


時間延長以外の対策にはどのようなものがあるかですが、まず取り組んでいただきたいことは塩分制限・水分制限です。


たくさん除水をすると疲れが増すのですから、たくさん引かなくてよいようにすることが大切です。


血液透析をお受けになっている方は、のどの渇きを感じていることが多く、水分制限は簡単ではありませんが、できるだけ塩分を控えることによって水分がお体に溜まらないように食事などを工夫していただきたいと思います。


目安としては、中二日空いた日の体重増加がドライ・ウェイト(基準体重)の4%以内、とお話ししています。


●血液濾過透析


治療方法を血液透析から血液濾過透析という方法に変えると疲労感がある程度楽になることがあります。


血液濾過透析は、栄養分が除去されやすく、御高齢の方にはお勧めしにくい点もあります。


私にはお母様の栄養状態がわかりませんので、透析の主治医の先生と相談をされてもよいと思います。


●さまざまな対処方法


(1)グリセオールという点滴


これはすでに試みられているかも知れませんが、透析中にグリセオールという点滴を行うと、治療後の疲労感が軽くなる方がいらっしゃいます。


効果は確実とは言えませんが、特に害のない方法ですので、試す価値はあるものと考えております。


(2)カルニチンを注射で補充


さらには、カルニチンという一種の栄養成分ですが、これを透析中に注射で補充する方法もあります。


栄養成分ですので、速効性は期待できませんが、これも害や副作用をあまり心配せずにできる治療法ですので、主治医の先生はすでに行って下さっているかも知れません。


(3)腹膜透析(CAPD)


また、2年前に血液透析を始められる時に説明があったと思いますが、腹膜透析(CAPD)という方法に治療法を変えることも選択肢に上がると思います。


腹膜透析の場合には、毎日ゆっくりと除水をされますので、血液透析の治療後のような疲労感を感じることはまずありません。


御家族の協力が必要ですし、新たに手術をお受けになる必要がありますから、明日からすぐにできるというわけではありませんが、お母様にとってはかなり楽な治療方法となると思います。


ただし、2年前に血液透析を選択された時に、なにか腹膜透析をお受けになれない状態や御都合があったのかも知れませんので、その場合には選択肢からは外れてしまいます。


この点に関しても、主治医の先生に相談をしてみて下さい。


お母様ができるだけ楽な治療をお受けになれるようになることを心から願っております。


[回答日 2021/10/6]

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