(質問のつづき)
痩せている自覚もなく食欲もあるので、DWを下げられると、また食事を減らさなきゃと辛くなります。
[回答]
このようなご質問は、多くの患者さんから寄せられます。
まず、DWを下げようと指示が出た場合ですが、食事を減らす必要は全くと言っていいほどありません。
減らしていただきたいのは塩分と水分だけであって、エネルギー(カロリー)やタンパク質などは、これまで通りでよいですし、場合によっては増やしていただいた方がよいこともあります。
「DWを下げましょう」ということは「検査結果などを診るとお痩せになってしまったようだからそれに合わせて体重の設定を下げましょう」ということでして、
「痩せなさい」と言っているわけではありません。
透析と透析の間で体重が増えてしまうことは抑えていただきたいですが、透析間の体重増加はほとんどが水分です。
一日や二日でお肉(筋肉でも脂肪でも)が急に付いてくるということはありません。
そのために、塩分制限や水分制限の必要性については強調されます。
一方、長い目で見た場合、筋肉や脂肪が付いてくる、つまり太ってくるということはよくあることで、その場合にはDWを上げる必要が出てきます。
反対に、筋肉や脂肪が落ちてきてしまえば、それはお痩せになったということですからDWを下げることになります。
食欲があってお痩せになっている自覚はない、ということですが、
どのようにして「痩せてきている」と判断をするかというと、上に書きましたように定期的に行われている検査などから、です。
まず、お痩せになってくると透析中の血圧が高くなることが多いです。
胸部レントゲンで、心臓(心胸比)が大きくなってくると、お痩せになった可能性を考えます。
血液検査で、hANP(ハンプと呼ばれます)という項目があり、この検査結果が高くなってくると、DWを下げていくことを検討します。
繰り返しになりますが、痩せなさいと言うことではありませんので肥満が問題となっているのでなければ、食事の内容を減らす必要はないと考えます。
主治医の先生や管理栄養士の方と相談をしながら、食事の量や内容について決めていって下さい。
また、食事だけでは痩せていくことを防げないこともあります。
適度な運動、特に息切れがしない程度の有酸素運動(散歩などです)が有効なことが知られています。
さらには、チューブ・トレーニングなどのレジスタンス運動という運動もよいことがわかってきています。
透析をお受けになっている医療機関でも、透析中の運動を勧められているかもしれません。
もしそうであれば、痩せていくことの予防としても、積極的に運動に参加をしてみて下さい。
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