●ECUMでの基本的な事項
ご質問にあるとおり、ECUMでは透析液が流れていませんので拡散は働きません。
ですから、限外濾過のみが働いて除水が行われるのですが、このときに分子量の小さな物質はダイアライザーの膜を通過して、水分と一緒に出てきます。
ナトリウムやカリウムはイオンであり、十分に小さいですから、ECUMの除水で、水と一緒に出てくるのです。
●具体的な数値例をご紹介
もし、患者さんの血清ナトリウム濃度が140mEq/Lだったとして、ECUMで1Lの除水をすると140mEqのナトリウムが除去されます。
除去されるのは、ナトリウムだけではなく、カリウムもブドウ糖も、それぞれの血清中の濃度に合わせて、除去されます。
カリウム濃度が5.0mEq/Lだったとすると、5.0mEqが除去され、血糖が100mg/dLだったとすると、ブドウ糖は1,000mg = 1g除去されるのですね。
これが透析であれば、透析液のナトリウム濃度は140mEq/Lが一般的ですから、ナトリウムの除去は透析とECUMで大差がないこととなります。
一方透析液のカリウム濃度は2.0mEq/Lのものが多いですから、拡散の原理が働いて、ECUMの時よりも、透析のほうがカリウムはたくさん除去されることとなります。
ちなみに、140mEqのナトリウムは食塩にすると約8.2gとなります。
思ったよりもたくさんのナトリウムが除去されているとお感じになるのではないでしょうか?
拡散と限外濾過は簡単なようで、考え始めると複雑で難しいことがあります。
ご参考になれば幸いです。
[回答日 2013/9/27]
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