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Q84. |
クレアチニンの値はどの程度気にしなくてはいけないのですか? |
保存期(透析を始める前)の腎不全では、血液の検査での
クレアチニンの値は、腎臓のはたらきを示す指標です。
ですからクレアチニンの値は、低い方がいいわけですし、
クレアチニンが高くなると透析になる、ということで、
この数値に気をつかう方が多いのです。
けれども、いざ透析が始まったあとは、クレアチニンの値には
さほど気をつかわれる必要はないとお考えいただいていいと思います。
それには、次のような理由があるからです。
1.クレアチニンは、上に書いたように、保存期の腎不全では
腎機能の目安となるのですが、決して毒にはならないこと。
つまり、高くなってしまっても、何か体に害があるわけではないのです。
2.クレアチニンは筋肉で作られているので、
筋肉質の方は、どうしても高めとなってしまうこと。
クレアチニンの産生量(体の中で作られる量)は、そのかたの筋肉量と
運動量を反映していると考えられています。
3.クレアチニンの値が高い人の方が、合併症が少なく、また
死亡率も低いことが知られていること。
これは、上記の2にも関連するのですが、筋肉質で運動も
きちんとされている人の方が、透析の合併症が少なく、
結果として長生きするという統計があるのです。
さて・・・・
このクレアチニンの値をどう知るか?ですが、透析室のスタッフに
「%クレアチニン産生速度」をお聞きになってみると
よろしいかと思います。これは文字通り、体からどのくらいの
クレアチニンが出てきているのかを計算したものです。
普段の血液検査の結果からだけでは、求めることができないのですが、
たいていの透析施設では、この数値を求めるソフトを持っているので
(日本透析学会から各施設に配布されているのです)、年に1回は
透析患者さんの「%クレアチニン産生速度」を計算しているはずです。
%クレアチニン産生速度は、上に書いたように筋肉質なのかどうか、
運動がきちんとできているのかどうかを示す目安となり、
この値が大きい方が、長い目で見たときに、透析をお受けになっている
方にとっては好ましいと考えられている数値です。
現在の透析で、十分に毒素が除去されているのかどうかについては
KT/Vやベータ2ミクログロブリンの値が参考になります。
これらの値がよい値であれば、クレアチニンが高いことは
お気になさらずに、むしろ好ましいことでもある、くらいに
お考えいただいていいと思います。
[回答日 2004/10/5]
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