1)〜4)がオシッコを作ることによって行われている重要なはたらき、5)〜7)がオシッコを作る以外のはたらきです。
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1) |
水分量の調節 |
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体に水分が余っているときには、オシッコをたくさん作り、反対に脱水状態で水分が不足しているときには、オシッコの量を減らします。
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2) |
老廃物の排泄 |
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生命活動を行っていると、さまざまな老廃物(ゴミですね)が出てきます。
腎臓はオシッコの中にこれらの老廃物を溶かすことによって、血液の中にゴミがたまらないようにしているのです。
ちなみに、オシッコの中に捨てられる老廃物をまとめて「尿毒素」と呼んでいます。
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3) |
電解質の調節 |
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電解質とは、ナトリウム(Na)・カリウム(K)・カルシウム(Ca)・塩素(Cl)などのイオンのことです。
これらのイオンは血液の中の濃度が狭い範囲に調節されていないと、体に不調を来します。
たとえば、Naの濃度は135-145mEq/Lというのが正常範囲で、これよりも大きくても小さくても、体には具合が悪いのです。これらの電解質の濃度を調節しているのが、腎臓です。
水分と同様に、あまっているイオンはオシッコの中にたくさん捨てるようにし、反対に足りないイオンはオシッコの中に捨てられないように調節しています。
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4) |
pHの調節 |
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pH(ペーハーと読みます)は酸性なのかアルカリ性なのかを示す数値です。
血液のpHは7.35-7.45(弱アルカリ性ですね)というきわめて狭い範囲に調節されなければなりません。
ここで大きく役立っているのが、腎臓です。重炭酸イオンというイオンの濃度を調節することによって、血液のpHを調節しています。
この重炭酸イオンはアルカリ性ですので、血液が酸性に傾いたとき(pHが下がったとき)には、この重炭酸イオンをオシッコ中に捨てないようにし、反対にアルカリ性に傾いたとき(pHが大きくなったとき)には、このイオンをたくさんオシッコの中に排泄するようにしているのです(電解質の時と似ていますよね)。
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5) |
血圧の調節 |
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腎臓はレニンという名前のホルモンを分泌しています。このホルモンはアンジオテンシン−アルドステロン系と呼ばれているシステムを活性化して、結果的に血圧を上げるはたらきをしています(レニンそのものには血圧を上げる作用はありません)。
そして、腎臓はこのレニンの分泌量を増やしたり減らしたりすることによって、血圧を調節しているのです。
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6) |
造血 |
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血液が作られているのは、骨髄(骨の中)です。骨髄はたとえていうならば、血液の工場なのですが、この工場に血液をたくさん作れという指令を出しているのは腎臓なのです。
具体的には、腎臓はエリスロポエチンというホルモンを分泌し、このホルモンが骨髄にはたらきかけて、血液をたくさん作るようになるのです。
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7) |
ビタミンDの活性化 |
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ビタミンには多くの種類がありますが、その中でビタミンDは、骨を丈夫にするためには欠かせないビタミンです。
このビタミンは食品から吸収されただけでは、体の中でビタミンとしてはたらいてくれません。
このビタミンが体の中ではたらくようになるためには、皮膚の下で紫外線を受けること(日光浴ですね)・肝臓で構造をかえてもらうこと・腎臓で構造をかえてもらうこと、の3つが必要で、これを「ビタミンDの活性化」と呼んでいます。ビタミンDの活性化も、腎臓の大切な役割の一つです。
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