透析Q&A

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[Q257]以前に、こちらのホームページで何度か質問させていただき、 ご丁寧な回答により元気をいただきましたことを改めて感謝申し上げます。 透析7年経過した59歳夫のことです。

(質問のつづき)

最近、血圧が下がることが多くなりました。 いつもは、透析終了後に150/80位でしたが、最近時々低くなり、 先日は昼食前に100/60位となり、昼食抜きとなりました。 動脈硬化が進み血管の弾力性が低下してきたということでしょうか? どのように考え対処すればよいでしょうか?

 

[回答]


最初にご質問をお寄せいただいたのが2004年ですから、 もう5年近くがたつのですね。

おかげさまで、当ホームページも継続・更新を続けさせて いただいております。


これからも、良質で暖かみのある医療サービスを提供し 続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。


さて、ご質問の件ですが、透析で血圧が下がってしまうことは しばしば経験をします。


●水分制限とドライウェイトの再度の確認


大原則ですが、体重が増えすぎてしまう、つまり水分制限が十分に できていなければ、血圧が下がることはやむを得ないことです。


水分制限ができているのに、血圧が下がる時の対策ですが、 まずは、ドライウェイトが適切かどうかを考えます。

ドライウェイトがきついと、どうしても血圧が下がりますので、 その場合にはドライウェイトを上げていく必要があります。


●レニンという昇圧ホルモンが出なくなった可能性


次に、透析を長期間お受けになっていると、腎臓から出ていた レニンという昇圧ホルモンが出なくなって、血圧が下がることがあります。

このレニンというホルモンは、透析をお受けになり始めのころはむしろ 出過ぎていることが多く、高血圧の一因となります。


ご主人様も最初は高血圧だったのではなかったでしょうか?

レニンが出なくなってくると、今度は低血圧になってきます。

この場合の対策はなかなか難しいのですが、 リズミック・メトリジン・ドプスといった血圧を上げるお薬を のんでいただいたりします。


●リフィリングが発生している可能性


「リフィリング」といいますが、血管の中と血管の外とで水分のやりとりが スムーズでなくなると、透析治療の除水によって血圧が下がりやすくなります。


透析では、血管の中からだけ水分を除去していますが、血管の外にも 余計な水分が存在します。

除水が進むと、血管の中が脱水になり、それにしたがって、 血管の外にあった水分が血管の中に引き込まれます。

これを「リフィリング」といいます。


この水分の移動がスムーズでなくなると、血管の外には水分が余っているのに、 血管の中は脱水になるというアンバランスが生じます。

これが血圧低下の原因となります。


この場合の対策も容易ではありませんが、グリセオールというお薬 (治療中に点滴します)を使用したり、濃い食塩水を注入したりします。


もし可能であれば、HDF(血液濾過透析)という治療方法が有効なことが あります(特殊な機械を必要としますので、すべての透析施設で 行われているわけではありません)。


●昼食は治療後の方が安全


これ以外にも血圧が下がる原因はありますので、その原因に応じた 対策が必要だと言うことになります。


ご心配をされている動脈硬化ですが、それだけで血圧が下がる原因とは なりにくいと思います。


また、昼食を透析後にお食べになるようになった、とのことですが、 血圧低下の原因がなんであれ、食事は血圧を余計に下げてしまいますので、 透析中の空腹が我慢できるのであれば、昼食は治療後の方が安全です。


[回答日 2009/11/12]

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