(質問のつづき)
透析治療後は血圧が安定せず、体の水分が少ないので排便時に血圧が下がてしまうと失神してしまうのではないかということで、透析をしていない人でも排便での失神はあると説明を受けましたが本当にそのようなことはあるのでしょうか?
[回答]
●排便失神というものがあります
「排便失神」と思われます。
透析治療をお受けになったいない方でも、排便失神は起こり得ます。
血液透析をお受けになっている方では、透析後には血圧が低下していることが多く、透析をお受けになっていない方よりも失神が生じやすくなっています。
●排便失神が起こる理由
排便により血圧が下がるのは、副交感神経という神経が(余計に)働いて、血圧と脈拍を下げる作用がでることによります。
血液透析後に血圧が下がりやすいのは、除水(透析治療で水分を除去すること)によって、血管の中が脱水気味になっていることが多いからです。
いずれにしても、血圧が下がりすぎてしまい、脳に行く血流が減少するために意識を失ってしまい、失神するのです。
●排便失神をしてしまった時の対応
対応としては、すぐに横にして、頭を低く、足を高くすることによって頭に行く血流を増やしてあげれば、意識は比較的短時間で回復してくる場合が多いです。
この時に、嘔吐をしていないかどうか、気をつけて下さい。
失神の際に嘔吐をすることがありますが、吐いたものが口の中に残っていると、気管に詰まってしまうことがあります。
もし、口の中に吐いたものがある場合は、頭を下げることと同時に、顔を横に向けて、吐きやすくしてあげて下さい。
●排便失神を防止するために
意識が元通りに回復してくれたとは言え、失神があることはよいことでないのは言うまでもありません。
透析治療後は、除水により血圧が下がりやすくなっています。
透析の主治医の先生と相談をされて、ドライウェイト(透析での目標体重)を上げたり、血圧が下がりにくくなるお薬を使ったりという検討をお願いしてみて下さい。
また、排便の際にいきむと失神しやすくなります。
もし便秘がちで、いきんで排便をすることが多いようでしたら、便を軟らかくするクスリなどの使用を、主治医の先生に相談をされるとよいと思います。
Comments