[回答]
難しいご質問です。
最近の傾向としては、透析をはじめる時期は、遅くなっています。
これは、保存期の治療法が確立してきて、透析を行わなくても 比較的安全に腎不全の患者さんを診ていくことができるように なってきたことを反映しているものと思われます。
さて、一概に「こうなると透析」という明確な基準はありませんが、 現在のガイドラインでは、クレアチニンが8になったら透析を 開始するようになっています。
もちろん透析を開始するかどうかは、クレアチニンの値だけで 決まるものではありませんが、ひとつの目安にはなると思います。
ひとつの例ですが、お若い方などでは、12や13くらいまで 透析をしないでいる方もいらっしゃいます。
あくまで大まかな目安とお考えになってください。
クレアチニンが低めでも透析を早く始めた方がよい場合があります。
例えば・・・
●糖尿病がある
●むくみがひどい
●貧血がひどい
●食欲がない
●かゆみがひどい
●ご高齢である
などです。
これらに当てはまることがなければ、クレアチニンの値で 7から8くらいまでは、(透析をしないで)がんばれると思うのですが、 それが長い目で見たときに、患者さんにとってよいことかどうかは、 また別の問題です。
私たちは、できるだけお体の状態のよい時に透析を始めたいと考えています。
上記のような、自覚症状が強く出てしまってからでは、 透析治療がつらくなることもしばしばあるからです。
また、透析を始めたあと、合併症もなく、お元気に長生きをされるのも、 早めに透析を始められた方に多いような印象を持っています。
いつでも申し上げていることですが、 主治医の先生とよく相談をすることを忘れないでください。
透析を始めるにしても、まだ様子をみるにしても、十分な説明を 受けて納得された上で、方針をお決めになることが大切です。
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