(質問のつづき)
透析機のモニターで何かの形で除水速度とリフィリングレートの相対的なバランスが表示されているのではないかと思いますが、そのバランスが悪くなったきたら途中で除水速度を調整することはできないのでしょうか?
[回答]
●透析中の血圧低下の原因
ご質問にあるとおり、透析中の血圧低下の原因は、
(1)除水速度がリフィリングを上回って、血管内が脱水になってしまうため
(2)透析治療中に末梢血管が拡張してしまうため
の2つが大きな原因です。
体重増加が多すぎる場合はそれを是正していただくことが大切です。
もし水分制限がしっかりとできていて、体重増加が少ないのにリフィリングが悪くて血圧が下がる場合には、それに対する対処が必要となります。
●透析機ではリフィリングの状態がわからない
透析機ではリフィリングの状態がわかるわけではありません。
クリットラインモニターと呼ばれる機器など、専用機器を使用して血管内の水分の状態を連続的に測定して(ヘマトクリットの変動により血管内脱水かどうかを判定します)、その測定値によってリフィリングが良好かそうでないかを推定するのが一般的です。
もし血管内脱水が進行してきた場合、それ以上除水を進めると血圧が低下してしまいますから、除水速度を落としたり、一時的に除水を中止したりすることがよくあります。
ただこの操作を行うと、透析治療前に設定した除水が完了しないことになりますから、治療時間を延長したり、あるいは設定除水以下で治療を終了して、次回に多めの除水設定をするなど調整が必要となります。
●リフィリングを良好にするための方法
リフィリングを良好にするためには、血管内の浸透圧を高めておくことが有効なはずです。
そのため、
(1)グリセオールや高濃度ナトリウムなどを投与し、浸透圧を上げる方法
(2)ECUMや水引きと呼ばれる治療モードを使用して、浸透圧が低下するのを防ぐ方法
などが試みられます。
それぞれに一長一短がありますから、主治医の先生と相談しながらどの方法がよいかを決めてみてください。
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