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「」に対する検索結果が557件見つかりました

  • [Q97]結婚披露宴のゲストに透析を受けている方がいらっしゃいます。食事など、どのような点に気をつければ良いでしょうか。

    [回答] 2点について、お話したいと思います。 1つめは、透析を受けている方から頂くとよい情報。 2つめは、調理の面で注意するとよい点。 です。 まず、1つめの透析を受けている方から頂くとよい情報についてです。 透析を受けている患者さんは、ご自身がどの程度の食事制限を しなければならないかを把握されています。 もし、披露宴会場の方が質問される場合は、プライバシーについて、 十分お気をつけください。 新郎新婦さんのご協力を得て、プライバシーについてクリアされて、 このゲストの方に連絡を取ることができるのであれば、直接ご本人に、 どのような内容の食事を提供すればいいのかを おたずねになるのが、確実です。 ただ、私が心配するのは、このゲストの方がかえって気を遣ってしまって あまり細かなことまで、おっしゃってくださらない可能性がある点です。 そこで、2つめの調理の面で注意するとよい点が大切になってきます。 あくまで一般論ですが、透析をお受けになっている方の 食事制限についてお話しをしておきます。 透析食の大きな柱は、水分制限とカリウム制限です。 水分制限は、飲み物だけではなく、食べ物に含まれる水分も含まれます。 パーティーですので、どうしてもアルコールがついてくるでしょうから、 これをどのくらい制限するかはご本人の問題と思われます。 食事に関しては、できるだけ汁物を減らしていただきたいと思います。 もちろん、一連のメニューの中で、乾燥食(パサパサした食事)だけ、 というわけにはいかないでしょうから、たとえばおすましなどについては、 ご本人が判断をして残す、ということになるのでしょうけれど、 もし、新郎新婦が「残さずに食べられるようなものを」と希望されるのであれば、 汁物は出さないでおいていただいた方が無難です。 塩分制限は、水分制限と切り離すことができません。 可能であれば、1食2g程度の塩分にしていただきたいのですが、 宴会料理の中では、それは難しいでしょうから、3g程度、 ということになるでしょうか。 カリウム制限ですが、カリウムは生野菜と果物に多く含まれます。 生野菜は茹でて、ゆで汁を捨ててしまうこと、かなりカリウムを除去できます。 ただし、歯触りは「生野菜」ではなくなってしまいますが・・・。 また、果物ですが、缶詰を使用していただけると、シロップの中に カリウムが溶け出ていますから、シロップを捨てることによって カリウムがある程度制限できます。 しかしながら、これでは料理人の方が腕をふるいにくいかもしれませんし、 ほかのゲストの方にとっては、物足りない料理になってしまう可能性も ありますね。 もしも、透析をお受けになっているゲストの方が、カリウムを下げることができる クスリをのんでくださるのであれば、カリウム制限はある程度緩和することが できます。 ですから、やはり、このゲストの方と直接連絡が取れれば、 それが一番なのですよね。 なお、透析をお受けになっている方の中には糖尿病の方が多くいらっしゃいます。 もし、糖尿病も一緒に患っていらっしゃることになると、上記に加えて エネルギー(カロリー)制限も必要になる、ということになります。 これは大変ややこしいことでして、宴席でこのような工夫をすることが 可能なのかどうか、私にはわかりません。 新郎新婦のお優しいお気持ちは大切にするとして、ある程度透析食に準じた 食事を提供していただき、あとはこのゲストの方が、ご自身の判断で お料理を「取捨選択する」のが現実的とも思われるのです。 [回答日 2005/2/8]

  • [Q96]透析をしている家族が疲れ果てている感じがします。毎日のご飯を工夫しても、透析で栄養が全部抜かれてしまうのではないかと感じ、やりきれない気持ちになります。

    [回答] まず、透析で栄養が全部抜かれてしまうということはありません。 透析治療では、水分と尿毒素、それから電解質と呼ばれるものの一部を お体から除去しますが、栄養分が取られてしまうことはありません。 食事の工夫をされていることが、無駄になってしまうことも 決してありません。 透析後に疲れ果てている感じがします。とのお話ですが、 お歳のわりに元気に透析に通院されている方もいらっしゃるし、 まだお若いのに、透析のたびにぐったりとされてしまう方も少なくありません。 おそらく、透析治療を開始されたときのお体の状態が、大きく影響しているものと考えています。 お体が元気な時に、簡単に言ってしまえば、少し早めに透析を始められた方が、後々いいような印象があります。 しかしながら・・・・・。 「だから仕方がないのだ。」では医療サイドとしての責任を果たしていない ことになると私は考えますので、私たち透析医や透析スタッフはなんとか、 安全で快適な透析になるよう工夫をしていくだけでなく、 ご当人だけでなく、ご家族との相互理解も大切です。 誰かに相談すること、といっても専門的なことは、ご家族では わかりにくいこともあるでしょうから、ご家族と透析室のスタッフとが コミュニケーションをとって、ご家族のストレスを多少なりとも 軽くすることも、大切なことだと考えているのです。 当サイトがお役に立てばうれしいですが、身近な透析医・透析スタッフの 方々にも相談していただくことが大切と思います。 [回答日 2005/2/8]

  • [Q95]口臭がきつくなったように感じます。何か原因があるのでしょうか?

    [回答] 口臭については注意が必要です。 歯を大切にすることは、とても重要です。 まずは、口腔衛生がきちんとしているかどうか? つまり、歯磨きを規則的にされているかどうかですが、 これは、ご自身だけでなく、ご家族も注意してください。 そして、歯磨きはきちんとできていて、歯周病などもない。 それでも口臭が強いようでしたら、透析不足がないかどうか、 透析治療での毒素の除去が十分かどうかを確認する必要があります。 せっかく透析をお受けになっていても、毒素が十分に取れていないと、 口臭が強くなることがあります。 毒素の除去については、血液の検査でわかりますから、主治医の先生や 透析スタッフにお尋ねになってみてください。 [回答日 2005/2/1]

  • [Q94]HDFのA液とB液は、混ざっていないといけないと聞きました。それは何故ですか?

    [回答] HDFで体の中に補充される液(置換液と呼んでいます)は A液とB液とを混合してから、使用するように作られています。 これが混ざっていないと、A液のみ(あるいはB液のみ)が お体の中に入ってくることになりますが、これは治療には 不都合な成分となってしまいます。 以前は、混ぜないで(混ぜるのを忘れて)治療を開始したために、 死亡された患者さんもいたのですが、現在の置換液は 万が一混合するのを忘れて使用しても、安全性については かなり確保されるようになっています。 それでも、やはり治療には適さないものですから、万が一、 混ざっていない。ということになれば、わかった時点で治療を中止する。 というのが正しい判断です。 はじめから混ぜた置換液が用意されていれば、間違いがなくていいのですが、 混ぜてから時間が経過すると、沈殿物が生じてしまうことがわかっているため、 現在のように、使用直前に混ぜて、治療に使うようになっています。 [回答日 2005/1/25]

  • [Q93]尿毒症の合併症にはどのようなものがありますか?透析をしっかり受けていれば発症しませんか?

    [回答] 尿毒症の症状には、以下のようにさまざまなものがあります。 【中枢神経症障害】 意識がなくなったり、不眠になったりする。 【末梢神経障害】 手足がしびれたり、特に足がイライラしたりする。 【消化器症状】 食欲不振、吐き気、嘔吐など。 【皮膚症状】 かゆみなど。 これらの尿毒症症状は、透析での尿毒素の除去が不十分であれば 出やすい。ということはあります。 では、しっかり透析をお受けになっていれば症状が出ないかというと、 たとえば不眠の方や、かゆみが出る方はたくさんいらっしゃいます。 食欲がない、という方も多いです。 重症の(命に関わるような)症状は出ませんが、 軽い症状が出ることはあります。 [回答日 2005/1/18]

  • [Q92]患者さんが多くなってスタッフの皆さんが忙しいようです。相談するにも遠慮がちになってしまいます。

    [回答] 透析を長くやっていますと、スタッフとも気心がしれてきます。 そうしますと「ちょっと忙しそうだから、私は遠慮しておこう」 というお気持ちがでてくる方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、ご相談なさりたいことがあるのでしたら、 ご遠慮なさらないでください。 一番身近で、お体の調子を診ているのは、主治医の先生と 透析スタッフですよね。 ですから、スタッフ(や主治医の先生)が忙しくても、 相談する相手はそのスタッフ・主治医の先生が一番ですし、 それ以外の人間(このようなホームページでの質問受付等)では、 正確な状態はわからないのですから、一般論でしかお話ができないのです。 「いい透析」を実現するための基盤は、スタッフと患者さんとの コミュニケーションです。 忙しくても、医療従事者は患者さんや、そのご家族とお話することを うとましく思うことはありません。 さすがにいつでもOK、というわけにはいかないでしょうけれど、 きっと時間を作ってくれると思います。 そこで主治医の先生や看護師と相談されるのが、 最も解決に近づける方法だと思います。 [回答日 2005/1/11]

  • [Q91]透析を受けている家族が介護を必要としています。介護施設に入ることはできるのでしょうか?

    [回答] たいへん難しい問題です。 2004年12月14日現在、当クリニック院長の記憶によりますと、 制度上、介護施設と呼ばれている「老人保健施設」「特別養護老人ホーム」 などで透析を行っているところのお話しは聞いたことがないようです。 これは、介護保険で透析医療の医療費をまかなうことができないため、 上記のような施設内では治療が行えないためという推測されます。 そこで、選択肢としては療養型病床を持つ病院で、入院を継続しながら 透析をお受けになるということになります。 一般的に「総合病院」と呼ばれている病院では、療養型病床を持っている ところは少ないですから、長期の入院はほとんど不可能で、 病状が落ち着いたら退院を・・・ということが多いようです。 この療養型病床の病院(多くは「老人病院」です)では、 長期の入院が可能です。 当クリニックがある静岡県の話になりますが、上記のような 療養型病床の病院で、かつ、透析を行うことができる病院は6病院あります。 そのうち多くの病院では、患者さんが入院できるのを待っている状態で、 すぐに入院を受け入れてもらえるところは多くありません。 地域によって状況が異なると思いますので、病院のソーシャルワーカー (医療相談室)に相談をされてみるとよろしいかと存じます。 [回答日 2004/12/28]

  • [Q90]透析をしていて、インフルエンザの予防接種をしてもいいのですか?

    [回答] インフルエンザの予防接種は、お受けになっていただいて 差し支えないと思います。 (*)主治医の先生には必ずご相談ください。 インフルエンザは、免疫の力が低下した方やご高齢の方(つまりは 抵抗力のない方ですね)がかかると、重症になりやすいことが知られています。 ですから、こういった方にはワクチンの接種を積極的に勧めています。 「抵抗力がないからワクチン摂取を慎重に行う」のではなくて、 「抵抗力がないからこそ、積極的にワクチンで予防しましょう」 ということになるのです。 透析をお受けになっている方の場合にも、免疫の力が 低下していることが知られています。 当院では透析をお受けになっている患者さんたちに インフルエンザの予防接種を勧めています。 ご心配されている副作用・副反応ですが、透析患者さんの方が 出やすくて危険だ、ということはないように思われます。 [回答日 2004/12/14]

  • [Q89]もし腕にシャントが出来ない場合に他の部分へのシャントはできるのですか?

    [回答] どこにシャントが作れるかは、患者さんの状態によりますので、あくまでも参考としてお答えします。 「シャント」は、一般的には左右どちらかの腕に手術をして血管を太くするものです。 もし腕がダメなら、足(ソケイといって、足の付け根です)、それでもダメならば胸に人工血管を移植してシャントを作る手術をします。 胸のシャントも使えなくなった場合には、例えば、上腕動脈の表在化や、緊急用のシャント用に、首のところに入れる一時的なカテーテル(管)を、皮膚の下に埋め込んでしまい、永続的に使用していこうという新しいカテーテルも、日本で使用できるようになります(米国ではすでに使用されています)。 こういった工夫をしても、 どうしてもシャントが作れない方がいて、そのような場合にはCAPD(腹膜透析)を選択することもあります。 ただし、お身体の状態によっては、CAPDはできないこともありますので、すべての方がCAPDに治療を変更されるわけではありません。 シャントのトラブルで悩まれる方は多いのですが、そのためにさまざまな手術の方法や医療材料が開発されています。 患者さんの状態にもよりますが、透析用のシャントは、なんとかなることが多いですし、実際に何とかしていくのが透析医・シャント医の責任だと考えています。 [回答日 2004/12/9]

  • [Q88]塩分は腎臓のはたらきを悪くするのですか?

    [回答] お身体がどのような状態であるかによって答えはかわってきます。 まず、腎臓のはたらきが正常か、または、多少悪くなってきていても 透析をお受けになるほどではない(保存期腎不全と呼んでいます)方 の場合です。 腎臓のはたらきが正常であれば、極端な話をしてしまえば、 いくらたくさんの食塩をお摂りになっても、腎臓がオシッコの中に その食塩を捨ててくれますので、体にとって害はないはずです。 ところが、どういうわけか食塩を摂りすぎると血圧が高くなる方が いらっしゃいます。 日本人のおよそ3割が、このタイプであると考えられていますが、 なぜ食塩を多く摂ると血圧が上昇するのか、正確なことは よくわかっていません。 血圧が上昇すると腎臓に負担をかけますから、結果的に 腎臓のはたらきが悪くなることがあります。 次に、腎臓のはたらきが少し悪くなっている方の場合です。 この場合、食塩をたくさん摂ると、そのすべてを腎臓がオシッコの中に 捨てきれなくなることがあります。 そうすると、体の中に食塩(ナトリウム)がたまってきてしまいますよね。 ナトリウムが蓄積してくると、血圧が上昇することがよく知られています。 上に書きましたように、血圧が上昇すると、腎臓に負担をかけますから、 結果として、腎臓のはたらきを悪くしてしまうことになるのです。 ですから、腎臓のはたらきが正常であっても、少し悪くなってきている方の 場合でも、塩分は制限しておく方がいいのです。 具体的には一日に6-7グラムくらいの制限が望ましいと考えられています。 [回答日 2004/11/30]

  • [Q87]転居することになり、転院を考えています。しかし転院先の見つけ方がわかりませんし、今、通っている病院に相談もしにくいと感じています。

    [回答] 転院のお話を切り出しにくい理由はわかりませんが、 転居されることは、やむを得ないことですので、 まずは、相談されていみることが一番だと思います。 当クリニックでは、転居される方には、転居先から通院しやすい 透析施設を探してさしあげることもあります。 ですから、現在、透析をお受けになっている透析施設でも、 何かしらのアドバイスは受けられると思います。 日本透析医学会は、透析施設名簿を毎年発行しており、 この名簿には日本の透析施設の90%以上が掲載されています。 そして、名簿は各透析施設に送られてきていますので、 この名簿から新しくお住まいになるところの近く、 あるいは勤務されるところから都合のいい場所の 透析施設を探すことができると思います。 [回答日 2004/11/16]

  • [Q85]血清リンが高い要因は、食事以外に考えられることはありますか?

    [回答] 血清リンが高い要因は食事以外は考えにくいです。 血液の中にあるリンですから、その元は2つしか考えられません。 体の外からと、体の中からです。 まず、体の外からを考えてみましょう。 体の外から入ってくるリンは、食事以外にはまず考えられません。 通常リンの制限をしない食事には、一日あたり800mgのリンが 含まれていると言われています。 1週間ですと5,600mgになりますね。 一方、透析ではめいっぱいリンが除去できたとして、一回の透析で せいぜい1,000mgがやっとです。 実際にはこれほどのリンを除去するのは容易ではありません。 そうなると、週に3回の透析として、1週間で3,000mgのリンしか 除去できないのです。 どうしてもリン吸着剤や食事制限が必要となるのです。 次に、体の中からを考えてみましょう。 体の中から血液に入ってくる可能性のあるリンは、骨にあります。 骨はカルシウムとリンを主成分に構成されていますから、 骨が溶け出しているとすると、血中のリンは高くなるはずです。 けれども、透析治療にとって、骨を守ることはとても重要なことですから、 骨が溶け出している、などということはあってはならないことです。 したがって、結論的には、 「血清リンが高い要因は食事以外は考えにくい。」 ということになります。 [回答日 2004/10/12]

  • [Q86]シャント側の腕で血圧測定や採血、腕時計などしてはいけないのですか?

    [回答] 血圧測定や採血を一度でもしたら、シャントが止まってしまうということは ないと思いますが、シャントを長持ちさせることは、透析治療にとっては とても重要なことですので、やはり避けておきたいことです。 まず、血圧測定と採血についてです。 前腕にシャントがある場合に、上腕を締め付ける血圧測定が 好ましくないのは、血圧を測定するときに(手動であっても 自動の血圧計でも)、もっとも加圧をされたときにはシャントの 血流が止まっているからです。 血圧の測定が終了すれば、またシャント血流は再開をしますから、 上に書いたように、それだけで止まってしまうことはないと思いますが、 シャントに負担をかけることにかわりはありません。 基本的に、シャント側の腕で血圧を測ることは避けていただきたいと 思います。 採血についても同様です。 採血の時には駆血帯というゴムで腕をしばりますが、 この時にはシャントの血液が止まっているか、あるいは 弱くなっているのです。 透析で使用する血管に針を刺して採血をすることは、 もちろん避けていただきたいですし、それ以外の血管から 採血をするのも、上記のようにシャントには好ましくありません。 やはり、(透析の時以外の)採血はシャント側の腕で行わない方が よろしいと考えます。 次に、腕時計についてです。 シャントの吻合部が手首にあって、ちょうど腕時計があたる位置の場合には、 シャントを圧迫することになりますからやめていただきたいと思います。 シャントの吻合部が、手首よりも肘に近い場所にあって、仮に腕時計をしても シャント血管を圧迫する可能性がなければ、シャント側の腕に 時計をしていただいても、差し支えはありません。 シャントの血管は、吻合部だけでなくその下流も、圧迫はできるだけ 避けたいものです。穿刺をするときや検査(シャント造影)の時の 駆血、透析終了後の止血以外には、なるべく圧迫をしないことを 心掛けてください。 [回答日 2004/11/9]

  • [Q84]クレアチニンの値はどの程度気にしなくてはいけないのですか?

    [回答] 保存期(透析を始める前)の腎不全では、血液の検査での クレアチニンの値は、腎臓のはたらきを示す指標です。 ですからクレアチニンの値は、低い方がいいわけですし、 クレアチニンが高くなると透析になる、ということで、 この数値に気をつかう方が多いのです。 けれども、いざ透析が始まったあとは、クレアチニンの値には さほど気をつかわれる必要はないとお考えいただいていいと思います。 それには、次のような理由があるからです。 クレアチニンは、上に書いたように、保存期の腎不全では 腎機能の目安となるのですが、決して毒にはならないこと。 つまり、高くなってしまっても、何か体に害があるわけではないのです。 クレアチニンは筋肉で作られているので、 筋肉質の方は、どうしても高めとなってしまうこと。 クレアチニンの産生量(体の中で作られる量)は、そのかたの筋肉量と 運動量を反映していると考えられています。 クレアチニンの値が高い人の方が、合併症が少なく、また 死亡率も低いことが知られていること。 これは、上記の2にも関連するのですが、筋肉質で運動も きちんとされている人の方が、透析の合併症が少なく、 結果として長生きするという統計があるのです。 さて・・・・ このクレアチニンの値をどう知るか?ですが、透析室のスタッフに 「%クレアチニン産生速度」をお聞きになってみると よろしいかと思います。これは文字通り、体からどのくらいの クレアチニンが出てきているのかを計算したものです。 普段の血液検査の結果からだけでは、求めることができないのですが、 たいていの透析施設では、この数値を求めるソフトを持っているので (日本透析学会から各施設に配布されているのです)、年に1回は 透析患者さんの「%クレアチニン産生速度」を計算しているはずです。 %クレアチニン産生速度は、上に書いたように筋肉質なのかどうか、 運動がきちんとできているのかどうかを示す目安となり、 この値が大きい方が、長い目で見たときに、透析をお受けになっている 方にとっては好ましいと考えられている数値です。 現在の透析で、十分に毒素が除去されているのかどうかについては KT/Vやベータ2ミクログロブリンの値が参考になります。 これらの値がよい値であれば、クレアチニンが高いことは お気になさらずに、むしろ好ましいことでもある、くらいに お考えいただいていいと思います。 [回答日 2004/10/5]

  • [Q83]シャントはどのくらいもちますか?

    [回答] 「その方によります。」というのがお答えになってしまいます。 10年以上もっている方もいらっしゃいますが、早い方では半年くらいで作り直しが必要となることもあるのです。 もちろんシャントが長持ちして、手術をしなくていい期間が長いのに こしたことはないのですが、シャントはいつかは止まってしまうものです。 一度閉塞してしまうと、再閉塞をしやすいか?ということも、 よく質問を受けますが、これも、その方の血管の状態と血液の状態によります。 血液の状態でお話しをすると、糖尿病をお持ちの方はどうしても血液が 固まりやすいために、シャントが閉塞しやすいということがあります。 ですから、糖尿病を原疾患とされている方の場合、たとえばですが、 シャントが7年間もったのであれば、(作り直しは)決して早い方では ないと思います。 [回答日 2004/9/28]

  • [Q82]透析をはじめる時期の目安を教えてください。

    [回答] 難しいご質問です。 最近の傾向としては、透析をはじめる時期は、遅くなっています。 これは、保存期の治療法が確立してきて、透析を行わなくても 比較的安全に腎不全の患者さんを診ていくことができるように なってきたことを反映しているものと思われます。 さて、一概に「こうなると透析」という明確な基準はありませんが、 現在のガイドラインでは、クレアチニンが8になったら透析を 開始するようになっています。 もちろん透析を開始するかどうかは、クレアチニンの値だけで 決まるものではありませんが、ひとつの目安にはなると思います。 ひとつの例ですが、お若い方などでは、12や13くらいまで 透析をしないでいる方もいらっしゃいます。 あくまで大まかな目安とお考えになってください。 クレアチニンが低めでも透析を早く始めた方がよい場合があります。 例えば・・・ ●糖尿病がある ●むくみがひどい ●貧血がひどい ●食欲がない ●かゆみがひどい ●ご高齢である などです。 これらに当てはまることがなければ、クレアチニンの値で 7から8くらいまでは、(透析をしないで)がんばれると思うのですが、 それが長い目で見たときに、患者さんにとってよいことかどうかは、 また別の問題です。 私たちは、できるだけお体の状態のよい時に透析を始めたいと考えています。 上記のような、自覚症状が強く出てしまってからでは、 透析治療がつらくなることもしばしばあるからです。 また、透析を始めたあと、合併症もなく、お元気に長生きをされるのも、 早めに透析を始められた方に多いような印象を持っています。 いつでも申し上げていることですが、 主治医の先生とよく相談をすることを忘れないでください。 透析を始めるにしても、まだ様子をみるにしても、十分な説明を 受けて納得された上で、方針をお決めになることが大切です。 [回答日 2004/9/22]

  • [Q81]通常通院している施設の他に、旅行先・出張先で透析を受けることになった場合に、施設に支払う費用は、どのようになっているのでしょうか?

    [回答] 血液透析が必要な慢性腎不全にかかる医療費の、自己負担は 各月・各医療施設で1万円を超えない、というルールがあります。 これによれば、旅行先などで透析をお受けになった場合には、 その透析施設で1万円をお支払いいただくことになります。 もともと維持透析をお受けになっていらっしゃる透析施設にも 1万円の自己負担分をお支払いいただかなくてはなりませんから、 この月には2万円の医療費(自己負担)が発生します。 ほとんどの方は身体障害の1級に認定されているはずですから、 領収書を提出していただければ、この合わせて2万円は還付されます。 この還付は、現物支給となっている県もありますので、 詳しくは、現在透析をお受けになっている医療施設の事務担当者に お聞きになってみてください。 [回答日 2004/9/14]

  • [Q80]HDFをしています。サブラッドが血中に残ったり心臓に負担かかったりしないのですか?

    [回答] HDFで心臓に負担がかかったりすることはなく、むしろ心臓にとっては 通常の血液透析よりも負担が少ない治療方法です。 安心してHDFをお受けになっていただきたいと思います。 HDFは大量補液・大量除水を行う治療です。 仮に6Lのサブラッドを入れている。と考えてみます。 もし、透析間で2kgの体重増加があれば、通常の透析では この2kgを除水するのですが、HDFではそれに加えて 6L除水しなければなりませんから、 合計で8kgの除水をすることになります。 なぜ、一方で補液をして(サブラッドを入れて)、その一方で除水をする ようなややこしいことをするかというと、この治療法を行うと 通常の血液透析では除去できない毒素(中分子などと呼んでいます。 ベータ2ミクログロブリンがその代表です)が、効率よく 除去できるからなのです。 メリットはそれだけではなく、心臓に負担をかけにくい治療であることも わかっています。 例えば、心臓のはたらきが悪くなって、通常の血液透析では血圧が 下がってしまい、治療が難しい方などに、HDFが選択されることがあります。 それでは、サブラッドが血中に残ったりしないか?ということなのですが、 これを100%ゼロにすることは、残念ながらできません。 例えば、上に挙げた例ですが、8kgの除水をしなければならないところ 6kgしか除水ができなかったら、2kgの水分が残ってしまうことになります。 また、反対のことも起こりえますね。 6Lの補液をしなければならないのに、4Lしか補液ができなかったら、 それでも8kgの除水は行われてしまいますから、2kgの除水のしすぎが 起きることになります。 このようなことが起きないように、HDF用の機械は、より厳重な精度が 求められ、除水不足や過除水が起きないような、安全機構が備え付けられています。 けれども、機械といえども「絶対」ということはありませんから、 治療中に、血圧が下がりすぎないかなど、透析室のスタッフも チェックをこまめにするようにしているのです。 実際に私たちのクリニックでの経験では、過除水や除水不足は ほとんど経験していませんから、安全性という意味では、それほど 心配されることはないと思います。 とにかく、HDFはとてもすぐれた治療法ですから、メリットの方が ずっと大きいと思ってください。 [回答日 2004/9/7]

  • [Q79]口の中に出血することが時々あります。何故でしょうか?

    [回答] 透析をお受けになっている方が、口の中に出血することは それほど珍しいことではありません。 もちろん、歯槽膿漏や歯肉炎があるのかも知れませんが、 歯科の先生が明らかな原因を見つけられなかったのであれば、 重症の歯科の病気はないのだと思います。 透析では、治療中に血液が固まってしまわないように、 ヘパリンというクスリを使います。 このヘパリンが効き過ぎると口腔内出血を来すことがあります。 また、ヘパリン以外に、やはり血液が固まりにくくなるような クスリを追加することもあります。 最近テレビなどでさかんに言われている血液をサラサラにして、 脳梗塞や心筋梗塞を予防しようというクスリなのですが、 この場合にはもっと出血しやすくなります。 このようなクスリが処方されていないかを確認してみてください。 おクスリが原因であれば、対処は比較的容易で、 クスリを減量することになります。 ただ、まれにクスリ(特にヘパリン)の減量によって、 透析中に血液が固まってしまい、治療に支障が出ることが あります。この場合には、対処が難しくなります。 ヘパリンについて、もう少しお話しをさせていただくと、 このクスリには2種類あります。 「未分画ヘパリン」と「低分子ヘパリン」と呼ばれています。 一般に透析では「未分画ヘパリン」が使用されていますが、 これを「低分子ヘパリン」に変更することによって、出血を 予防できることがあります。 [回答日 2004/8/25]

  • [Q78]呼吸が苦しくなることがあります。何故でしょうか?

    [回答] 呼吸が苦しくなる症状は、いろいろな原因で生じます。 透析中よりもむしろ、透析の治療開始時に息苦しさを 訴えることが多いようです。 さて、その原因ですが、多くは水がたまってしまったためです。 透析で除水(水を取り除くことです)を行うと、 次第に症状も軽くなってきます。 また、そのような方が、透析中に酸素吸入することで 呼吸が苦しくなっている状態を改善することもあります。 溢水による呼吸困難では、血液中の酸素濃度は低下していますから、 酸素を吸入していただくことで、症状の緩和が得られます。 また、透析中に酸素を吸入していただくと、血圧が安定し、 治療がスムーズに行えるというメリットもあります。 [回答日 2004/8/18]

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