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「」に対する検索結果が557件見つかりました

  • [Q37]血液透析と腹膜透析では費用に違いがありますか?

    [回答] 血液透析と腹膜透析(CAPD)にかかる医療費はほとんど同額です。 高血圧や貧血などの合併症に使用するクスリによって多少差が出ますが、 だいたい月に35万円から45万円くらいになります。 現在の健康保険ではほとんどの方が3割負担ですので、 この3割、つまり10万円から15万円くらいが自己負担と なるのですが、このような高額の医療費をずっと払い続けることは 多くの患者さんにとっては不可能です。 そこで「特定疾病療養制度(私たちはマル長と呼んでいます)」という 制度があって、「透析が必要な慢性腎不全」の患者さんの 医療費の自己負担は、月に1万円を限度とされています。 したがって、血液透析でも腹膜透析でも、自己負担は 月に1万円を超えることはない、ということになります。 ここまでは全国共通で、もちろん医療機関による差もありません。 さらに、多くの透析患者さんでは、身体障害1級に認定されます。 身体障害1級に認定されると、支払った医療費が返ってくるようになります。 この制度は都道府県によって若干異なっています。 まとめますと、透析療法にかかる医療費の自己負担は、 0円(身体障害1級のため)から最も高くても月に1万円。 ということになります。 ご注意いただきたいのは、これまで述べたことは すべて「慢性腎不全」という病気に対して適応されることです。 透析という治療は「急性腎不全」など、ほかの病気に対しても 行われることがあります。この場合には マル長も身体障害1級も適応されなくなりますので、 3割の自己負担が原則となります。 [回答日 2003/8/11]

  • [Q36]健康食品やサプリメントの利用はいいのでしょうか?

    [回答] 健康食品やサプリメントは、今、ブームになってきています。 それだけ皆さんが自分の健康を気遣っているということだと思います。 透析を受けておいでの方でも例外ではなく、 さまざまなサプリメントを試している方がいらっしゃいます。 その中には、われわれスタッフに、のんでいいかどうか 確認する人もいますし、こっそりとのんでいる人もいるようです。 さて、健康食品やサプリメントを利用してよいか?ということですが、 健康食品やサプリメントには、好ましいものとそうでないものがある、 ということは知っておいていただきたいと思います。 摂られているものが、いいものなのかどうか? は、患者さんの 状態によりますので、主治医の先生や透析室のスタッフに確認することが 一番確実だと思います。 ぜひ一度、主治医の先生におたずねになることをお勧めします。 透析医療の観点から、健康食品・サプリメントについてを 少しお話しましょう。あくまでも参考程度として、主治医の先生の 指導にしたがっていただくことを前提としてご紹介します。 健康食品・サプリメントと聞いて、まずまっ先に思いつくのはビタミン剤です。 ビタミンAは避けていただきたいと存じます。 ビタミンCは、いいという先生と、ダメという先生とがいて、 結論は出ていないようです。やめておかれた方が無難ですね。 ビタミンB群(B1、B2、B6、B12)は、比較的安全に 摂ることができます。 ビタミンEは、脂溶性ビタミンといって、ビタミンAと同様に 脂に溶けるビタミンです。理屈の上では、透析を受けている方では 蓄積することが問題となりそうですが、ビタミンEの蓄積による 害はないようです(ここが、ビタミンAとちがうところです)。 ビタミンDとビタミンKは、透析で処方されるクスリの中に 入っていることがありますから、やはり、サプリメントとしては お食べにならない方が、無難だと思います。 アミノ酸のサプリメントは、残っている腎臓の機能を 悪化させることがあります。 せっかく週に1回の透析ですんでいるようですので、 これ以上腎機能を悪くしないためには、アミノ酸の たくさん含まれている健康食品は避けていただきたいと存じます。 健康食品でよく耳にするものに、クロレラやローヤルゼリー、 プロポリスがあります。 こういったものが、腎臓にいいのかどうかはよくわからないのですが、 安全性に問題はないようです。 最近、シャンピニオンというキノコの一種が、サプリメントとして 話題になっています。 腸内の細菌がインドールという物質を作るのを邪魔することによって、 腎臓のはたらきを守っていくとされています。 インドールが腎臓に悪いことは確実ですので、もしも シャンピニオンが、インドールが作られることを抑制できるのであれば、 期待できるサプリメントです。 また、直接腎臓のはたらきを守るわけではないのですが、 カルニチンという健康食品は、透析患者さんの筋肉に対して 好ましい作用があることがわかっています。 手足の筋肉はもちろん、心臓も筋肉でできていますので、 透析患者さんが摂ることは好ましい、ということになります。 [回答日 2003/8/4]

  • [Q35]一日中、しゃっくりがとまりません。とめる方法はないでしょうか。

    [回答] しゃっくりは、命に関わることは滅多にありませんが、一日中、続くとなると、体が休まらずに大変だと思います。 難治性のしゃっくりを診た時に、横隔膜の下に病変が見つかることが時々あります。 具体的には胆石や胆嚢炎などと呼ばれる病気が隠れていることなどです。 検査をお受けになってみるのもよいことだと思われます。 もしも、こういった病気がない時に(つまり、はっきりした原因がわからない時に)おくすりが使われます。 代表的なものをご紹介しますと、ブスコパンの注射や、テグレトール・セレネース・プリンペラン・リボトリールといったクスリが 内服で使用されることがあります。 また、2003年2月、日本内科学会の雑誌に「難治性のしゃっくりにメキシチールというクスリが有効なことがある」という報告が発表されました。 このメキシチールは、不整脈のクスリです。 しゃっくりに対して用いられるクスリは、さまざまで、どれが一番効く、ということではなく、どれがその方にあうか? ということになると思います。 ですから、主治医の先生に相談された上で、上記のどれかから試してみる、というのが現実的な対応ではないかと考えます。 どうしても治らない場合には、頚部硬膜外ブロックや横隔神経という横隔膜にいく神経を切断してしまう手術などといった治療もあります。 けれども、手術となるとすぐにやりましょう、というわけにはいきませんから、やはり、まずクスリを試してみる、というのがよろしいかと思います。 [回答日 2003/7/21]

  • [Q34]在宅で出来る血液透析について教えて下さい。

    [回答] まず、家庭透析がどういったものであるかをご紹介しましょう。 家庭透析は、患者さん本人とご家族が、透析治療の流れを専門の スタッフから教えてもらって、十分なトレーニングのあと、 自宅で透析を行うものです。 透析では血管に針を刺す必要がありますが、これは 患者さん本人かご家族が行います。 機械の取り扱いも覚えていただく必要があります。 こういった練習に約3か月程度をかける施設が多いようです。 機械が故障してしまうことも皆無ではありませんが、 この場合には、病院のスタッフや機械メーカーの人が 駆けつけてくれますので、機械の整備まで覚える必要はありません。 家庭で透析をするといっても、治療がうまく行われているかどうかの チェックが必要ですから、月に1-2回の通院は必要とされます。 通院したときに、血液の検査やレントゲンの検査などを受けてもらいます。 透析に必要な物品は宅配便で送られてきます。 こういった消耗品や、機械のリースも保険が適応されますので、 医療費の点では、通院の透析とかわりありません。 では、どれくらいの方が在宅の血液透析をされているかですが、 保険が適応されるようになってからもなかなか患者さんが増えません。 理由は家庭透析を指導し、また管理する医療施設が 少ないことが大きいと思います。 現在国内で20万人以上の方が血液透析を受けていらっしゃいますが、 家庭透析を行っている方はわずかに100人程度です。 ちなみに腹膜透析を行っている方は8,500人くらいで、やはり 少数派といえます。 私たちのクリニックがある静岡県内で、家庭透析を指導する施設は、 1施設だけです。(2003/4/19現在) [回答日 2003/6/30]

  • [Q33]漢方薬は飲んでもよいのでしょうか?

    [回答] 漢方薬を服用してもいいのか悪いのかについては、 その方のお体の状況だけでなく、どのようなお薬なのかが わかりませんと、お答えできません。 主治医の先生とよくお話しあいのうえ、どのようなお薬で、 安全であるかについてをご質問して、納得されたうえで 服用されるのが良いと思われます。 さて、漢方薬の一般的なお話しをしましょう。 漢方薬には大きくわけて2種類のものがあります。 保険が通っているクスリと通っていないクスリです。 保険が通っているクスリは、比較的、大手の製薬会社が作っていて、 病院や診療所で処方され、保険がききますので、お金もかかりません。 一方、保険がきかないクスリの方は、漢方薬局などで売られていて、 いろいろな薬草などを調合してもらい、自宅で煎じて飲むものが多いようです。 透析をお受けになっている方が漢方薬を使う時に 注意が必要なのは、カリウムです。 多くの漢方薬が薬草(植物)を原料に作られているからです。 先ほど述べた、保険がきく漢方薬は、その成分の中のカリウムの量が わかっているものが多く、透析を受けていらっしゃる方が 安全に使えるかどうかがわかります。 一方、漢方薬局などで買うクスリの方は、カリウムの含有量が わかりませんから、カリウムが高くなってしまう危険があります。 ただし、カリウムが高い、と決まったわけではないのですから、 安全な漢方薬もある可能性もあるわけです。 ここら辺が難しいのですが、主治医の先生にお聞きになるのが 確実だと思います。 [回答日 2003/6/30]

  • [Q32]プレショックとは何でしょうか?

    [回答] 「プレ」は「~の前にある」という接頭語ですので、 プレショックはショックに陥る直前の状態、といった意味です。 医者は全般的に(透析医療に携わるものだけではなく) 「プレショック」という言葉を使います。 まず、ショックについてですが、ショックは、 「心拍出量の減少または血管の虚脱のため、重要臓器に 生命を維持するのに必要な血液の供給が得られない状態」 という定義がなされています。 簡単に言ってしまえば、血圧が下がってしまって(あるいは 血管が強力に収縮してしまって)、重要な臓器(たとえば 脳や肝臓など)に必要な血液が送られずに、命に危険が せまっている状態、ということです。 透析医療においてはどのようなものでしょうか。 血液透析中は、除水といって、血液の中から水分を除去しています。 除水中に血圧が下がることはしばしばあります。 また、除水を行っていなくても、透析を行っている間に 末梢の(手や足の)血管がひらいてしまって(上で述べた「収縮」では ありません。その逆です)、やはり血圧が下がってしまうことがあります。 これらの血圧低下に対して、除水を止めたり、血圧を上げる薬を 使ったりなどして、血圧を維持するように対策を講じるのですが、 それでもショックに陥ってしまうことが、まれにあります。 ショックについては、ご理解いただけましたでしょうか。 さて、プレショックについてです。 ショックまではいかないけれども、そのまま悪くなってしまったら ショックに陥ってしまったであろう、と想像される場合に 医療従事者が「プレショック」という言葉を使うことが多いです。 この言葉は、医療従事者が仲間内で使う言葉で、厳密な定義はありません。 そのため、患者さんやそのご家族への説明に、使うのは、少し不適切な 感じはしますが、どういう状態かはわかっていただけるのではないかと思います。 さて、ショック(あるいはプレショック)は、透析中に生じる可能性が あるのですが、命に関わる合併症ですので、その対策は重要です。 透析中に、このような状態になる方は、ご高齢の方や、糖尿病の方、 肺炎などの重症の合併症があり、全身状態が悪い方が多いです。 安全な透析治療を受けられるように主治医の先生とよく相談される ことをおすすめします。 [回答日 2003/6/24]

  • [Q31]足がムズムズ、イライラするのですが、どうしたらいいでしょうか?

    [回答] 足がムズムズ、イライラすることは、 透析をお受けになっていらっしゃる方を悩ませる合併症の 一つで、「restless legs症候群」とか「むずむず足症候群」 と呼ばれています。 原因は尿毒素のせいだと考えられています。 対処としては、 まず、透析で毒素をたくさん除去できるようにします。 透析で毒素をたくさん除去できるように時間を延長したり、 ダイアライザーを大きくしたり、種類を変えたり 血流を増やしたり、というような方法があります。 透析時間を延長しても、効果を感じられないとおっしゃる方も 少なくありません。その場合は、クスリをのむ方法もあります。 主治医の方に処方していただくのが良いでしょう。 その他には、HDF(血液濾過透析)という方法が この症状に有効なことがあります。 私たちは、クスリでも症状の取れない方に、この治療を行っております。 HDFは専用の機械が必要で、どこでも受けられるかどうかは、 わかりませんが、ご質問してみるのも良いかと思います。 [回答日 2003/6/2]

  • [Q30]夫が人工透析をしています。子供が腎臓病にかかりやすい可能性は高いのですか?

    [回答] ある男性の透析患者さんのお子様が腎臓病になりやすいかどうかは、 その男性の「原疾患」がなんであるか、によって判断されます。 遺伝的な心配があるようでしたら、主治医の先生に相談されると その原疾患から適切なお答えをいただけるのではないかと思います。 さて、少しだけですが、病気と遺伝性についてお話しましょう。 腎臓病の中には、明らかな遺伝性が認められているものがあります。 たとえば、「アルポート症候群」という病気は、難聴と腎不全を ともなう病気ですが、男性に多く、また、遺伝性が認められています。 男性には限りませんが、「多発性嚢胞腎」という病気は 優性遺伝であり、透析が必要となることが多い病気で、 この家系の方は、親子や兄弟で透析を受けていらっしゃる方も 少なくありません。 しかしながら、これらの病気は透析を受けていらっしゃる方の中で 特に多いわけではありません。 現在、透析を受けている方の、腎臓を悪くした元の病気 (これを「原疾患」と呼んでいます)で何といっても多いのは 糖尿病と慢性腎炎です。 糖尿病はある程度遺伝性が確認されている病気ですが、 もしも糖尿病になってしまったとしても、きちんとした治療を 続ければ、必ず透析になるわけではありません。 慢性腎炎は、遺伝が疑われているタイプのものもあるのですが、 多くの場合は遺伝性はないと考えてよいと思います。 このように、人工透析をしているといって、その理由はさまざまな ものが考えられますので、主治医の先生に相談されてみてください。 [回答日 2003/5/26]

  • [Q29]最近透析をはじめました。シャント側の腕に真っ赤な湿疹ができてしまいました。透析特有の症状でしょうか?

    [回答] 透析をお受けになっている方を悩ませる合併症の一つにかゆみがあります。 かゆみは、発疹がある場合と、ない場合とがありますが、どちらかというと、 発疹がなく、皮膚が乾燥してカサカサしてかゆい、という場合が多く見受けられます。 また、かゆみの原因は、尿毒素によるものと考えられていて、 かゆみの範囲は広いことが多いのです。 「湿疹」そのものの原因は、いまだに解明されていません。 また、透析をお受けになっている方には、湿疹をはじめとした 皮膚病変が出ることが多いようです。 診察していないのでご質問の湿疹の原因を特定することはできません。 あくまで予想の範囲として回答させていただきます。 ご質問の場合は、全身ではなく、比較的狭い範囲のものです。 また、かゆみの部位には、真っ赤な湿疹ができている、というのも 透析の合併症のかゆみとしては、典型的ではありません。 透析をお受けになっている方で、皮膚に副作用が出るとすると、 まず考えなければいけないのは、シャントを消毒するときの消毒薬です。 これも他の部位にも湿疹がでていれば可能性が低くなります。 また、これはまれなケースですが、透析中に使用する ヘパリンが悪さをして、かゆみをともなう発疹が出た患者さんを 診たことがあります。 この患者さんの場合には、ヘパリンを低分子ヘパリンに 切り替えたところ、すぐに皮膚はきれいになりました。 けれども、こういった可能性は、そうそうあるものではありません。 また、飲み薬などによる薬疹ですが、これは皮膚科の先生が見落とすことは まずありません。 このように、さまざまな原因が予測されますが、まずは、主治医の方に しっかりと診ていただき、対応するのがよいと思われます。 [回答日 2003/5/26]

  • [Q28]血液中の二酸化炭素濃度は透析とどのような関係があるのでしょうか?

    [回答] まず、透析患者さんの場合、血中の二酸化炭素濃度は、むしろ正常よりも 低値であることを、知って下さい。 われわれの血液のpH(ペーハー)、つまり酸性かアルカリ性かですが、 これはきわめて狭い範囲に調節されています。 具体的には、7.35-7.45と、弱アルカリになっています。 血液のpHを決定するのは、二酸化炭素濃度と重炭酸イオン濃度です。 二酸化炭素が増えればpHは低下します(酸性に傾くということです)。 重炭酸イオンが増えればpHは上昇します(アルカリ性に傾くということです)。 それぞれの濃度を決めるのは何でしょうか。 二酸化炭素の濃度を決めるのは、呼吸の深さと回数です。 一方、重炭酸イオンの濃度を決めるのは腎臓で、尿の中に どれだけ重炭酸イオンを捨てるかになります。 さて、透析患者さんでは、腎臓のはたらきがほとんどなくなってしまって 血液の中の重炭酸イオン濃度が減少してしまっています。 つまり、血液は酸性に傾いているのです。 これを「代謝性アシドーシス」といいます。 たとえば、血液のpHが7.30になってしまっているのです。 そうすると、呼吸をつかさどる中枢が刺激されて、患者さんが 自覚しないところで、呼吸が深く、回数も多くなります。 そうすることによって、血中の二酸化炭素濃度を下げて、 下がってしまったpHをなるべく正常範囲に近づけようとしているのですね。 これを、「呼吸性代償機能」といいます。 ですから、血液透析では重炭酸イオンを補って、この「代謝性アシドーシス」を補正しようとしています。 補正が理想的になされると、呼吸の方も正常化して血中の二酸化炭素濃度も正常範囲に近くなるのです。 この血液のpHの調節は、血液透析治療の中で、 とても大事な役割の一つです。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q27]最近、血液透析を始めました。車の運転を控えるように、できれば運転しないように、と言われました。 透析患者は運転してはいけないのですか?

    [回答] 血液透析を受けているからといって、車の運転ができないことはありません。 当院でも、多くの方が車で通院されています。 注意が必要だとすると、透析を始められたばかり。だということです。 透析に慣れないうちは、治療後に血圧が下がってフラフラしてしまったり、 気持ち悪くなって吐いてしまったり、という症状が出ることがあります。 そのために車の運転が危険になることもあるのです。 透析に慣れて、これだったら大丈夫だという自信がつくまでは 車以外の通院方法が安全かも知れません。 もちろん、慣れてきても、無理をしないことが大切なのはいうまでもありません。 また、視力は大丈夫でしょうか? 腎臓が悪くなると、特に糖尿病から腎臓を悪くした方は視力が 低下してしまうことがあります。 高齢な方の場合、白内障の心配もあります。 視力が悪くなってきているのであれば、たとえ免許の書き換えの時に 大丈夫であったとしても、クルマの運転を控えられるのが安全です。 無理はなさらずに、事故には十分お気をつけて通院して下さい。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q26]シャント音がときどきかわったような気がするときがあります。シャント音を気にしたほうがよいでしょうか

    [回答] よいところに気づいていただきました。 シャント血管に狭いところができて血液の流れが悪くなってくると、 シャント音が変化(キュンキュンという高い音になったり、 音が小さくなったり)します。 日頃からシャントの音を聞いていて、変化しないかどうかを 確認する習慣をつけて頂くと、シャントが止まってしまう前に 対策をとれることがありますので面倒でなければ、 ぜひシャント音をきくのを習慣にして下さい。 そして、シャント音に変化があった場合には、主治医の先生や透析室の スタッフに伝えて下さい。 さて、シャント音と同じような言葉にスリル音というのがあります。 シャント音とスリル音は基本的には同じものだとお考えいただいて差し支えありません。 スリル(thrill)「振動」の意味で、シャントの吻合部などをさわったときに、 ビリビリあるいはザーザーする感じが手に伝わってくるのがスリルです。 けれども、シャントを直接耳に付けたり、聴診器を使ったりして音を聞いたときの ザーザーも、ご質問のように「スリル音」と呼ばれたりしています。 シャントがよく発達していて、たくさんの血液が流れていれば 振動(スリル)があり、スリル音が聞こえるわけですね。 ですから、シャント音はスリル音と同じと考えて頂いていいわけです。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q25]90歳前後の高齢者のことで質問です。 人工透析が必要になりました。メリット・デメリットを教えてください。 また、人工透析をしないですむ方法はあるのでしょうか?

    [回答] ご高齢の方の透析、となると「メリット」と呼べるものは ほとんどないと思います。 透析治療は(血液透析ということですが)、週に3回の通院が必要ですし、 透析中に血圧が下がって大変になったり、吐き気がしたり、 という症状が出ることがあります。 お年寄りの方にとって、決して楽な治療ではありません。 もちろん、こういう症状には個人差があって、 かなり楽に透析を受けることができる方もいらっしゃいますが。 では、そんなにつらい治療ならば、クスリで対処できるか、 というとそれは不可能です。 もともとクスリでは治療しきれなくなってしまった腎臓病 (慢性腎不全)を透析で治療するのですから、 透析が必要だけれどしないでおけば、生命の維持が 難しいということになるのです。 できるだけ、体に負担をかけずに、かつ、在宅で、ということであれば 腹膜透析(CAPD)という方法もあります。 血液透析とCAPDのどちらがいいか、ということに関しては 一概に言えませんので、主治医の先生とよく相談してみてください。 これは、参考までにですが、全国でみると90歳以上の方は約230人、 95歳以上の方も30人ほどの方が透析(血液透析・腹膜透析)を 受けておいでです。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q24]透析を受けた当日は入浴はいけないといわれましたが、 どうしても入りたいときもあるものです。 入浴は我慢しなければいけないのでしょうか?

    [回答] まず、入浴しない理由ですが、シャント感染を防ぐことを目的として、 原則として透析日には入浴しないよう指導しております。 私の知る限りでは、透析日の入浴は禁止している施設の方が多いの ですが、中にはシャント側の腕を濡らさなければ、入浴は 差し支えない、としている透析施設もあります。 例えば、腕を上げて入るとか、ビニール袋で包んでから入るとかですね。 しかし、気をつけていただきたいのは、たとえビニール袋で包んで 入浴したとしても、そのビニール袋の中で蒸れることによって シャントの穿刺あとが濡れてしまったり、腕を上げて入っても 湯気でシャントの穿刺あとが濡れることもあり得ることなのです。 透析で使う針は太いですし、週に2-3回穿刺をするわけですから、 その穿刺のあとはきちんとふさがるまでに時間がかかります。 身体を清潔にしておくことは、とても大切なことですが、 できれば透析日は入浴を避けた方が、無難だと考えております。 われわれのクリニックでも、透析日に入浴をされる方がいます。 これまでのところ、その方のシャントに感染が生じたことはありません。 けれども、安全第一です。 たとえ入浴をされるにしても、くれぐれもシャントの穿刺あとが 濡れないように注意を払ってください。 また、シャントが人工血管を使用したものである場合には、 感染を起こすと重症化しやすいですから、なおさら入浴は お勧めできません。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q23]透析をしている場合は、運動してはいけないのでしょうか?

    [回答] 透析をお受けになっている患者さんへの運動処方は、 個々のケースによってかなり異なります。 主治医の先生とよく相談しながら、ご自分にあった運動を 許可された範囲で行うようにしましょう。 まず注意する点です。 透析患者さんのほとんどの方に貧血が合併しています。 心機能が低下していることがしばしばありますし、 筋肉量の低下も珍しくありません。 透析治療が長期にわたっている人の中に、骨が悪くなっている人が いることにも注意が必要です。 10年以上の透析歴をお持ちの方では、特に女性では軽い負荷でも 骨折してしまうことがあります。 次に運動の良い点をお話ししましょう。 透析患者さんの運動は、適切に行われれば中性脂肪の減少、 HDLコレステロール(善玉コレステロールですね)の上昇、 耐糖能の改善、高インスリン血症の改善、降圧剤の減量、 抑うつ状態の改善、といったさまざまな好ましい反応が得られることが 報告されています。 どの程度の運動強度、運動時間、頻度がいいのかは、 残念ながらきちんとした指針が作成されておりません。 透析患者さんでは、筋肉量が減少すると生命予後が悪くなることが 言われています。 筋肉量を維持するためには運動は必須ですので、 主治医の先生とよく相談をしながら、 長続きする運動の仕方を習得していただきたいと思います。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q22]透析をしていると数年で亡くなる方が多いという話を耳にしました。 本当にそんなことはあるのですか?

    [回答] 間違った情報です。 「透析をしていると数年で亡くなる方が多い」ということはありません。 慢性腎炎という病気から透析になる方が多いのですが、 そういう方であれば20年以上透析を受けている方は たくさんいらっしゃいます。 透析をお受けになっていらっしゃる方が、その後何年生きられるかは、 その方が腎臓を悪くした原因(元の病気のこと=原疾患と呼んでいます) が、大きく影響します。 まれに、非常に難治性の病気から、透析を始められる方がいて、 そのような方たちが、透析を始めて数年で命を落とされることも ないわけではありません。 透析患者さんが、長生きできるかどうかに影響するものとして 食事療法を主とした自己管理がきちんとできているかどうか、 合併症が出てきたときに、その合併症の治療がうまく行われているかどうか などが、重要なポイントとなります。 ご家族、お友達のよりよいご理解のもとで、節制をしながらも 楽しい生活をお過ごしください。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q21]いらいら感が強くなってきたと相談したところ、ダイアライザーが、FBからBS-Uに変更になりました。 違いはどこにあるのでしょうか?血液検査では効果が感じられないのですが?

    [回答] まずはイライラ感について、簡単にお話ししておきます。 透析が長期になってくると、このイライラ感や、かゆみといった、 自覚症状が出てきやすくなります。 もちろん、こういった症状は出る人と出ない人があるので、 詳しい原因はまだよくわかっていないのですが、 ほかの透析合併症と同様に「尿毒素」が悪さをしているのだと 考えられています。 ですから、治療としてはまず毒素を除去しよう、ということになるのです。 そこで、ダイアライザーが変更になったのですね。 FBからBS-Uというものになったとのことですが、 結論から言ってしまえば、この選択でよろしいかと思います。 FBはセルローストリアセテート、BS-Uはポリスルフォンという 素材でできています。BS-UはFBに比べて、分子量の大きな 毒素(「中分子物質」などと呼ばれています)がよく除去できるように 作られています。 そして、イライラやかゆみの原因は(少なくとも その一部分は)、この中分子の毒素にあるのではないか、 と考えられているのです。 血液検査のデータとは、尿素窒素(BUN)やクレアチニンの ことではないでしょうか? BUNやクレアチニンは「小分子」なのです。 ですから、このデータには変化がなくても、BS-Uの方が中分子は たくさん除去されているはずです。 毒素が除去されたからといって、すぐに症状が軽くなるわけではありません。 今後も主治医の先生に十分にご相談なさりながら、 治療をお受けになってください。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q20]最近、視力の低下があるような気がしてなりません。また、耳鳴りを感じたり、口の苦味が抜けないような気もします。これは透析をしているためでしょうか?

    [回答] 透析をお受けになっている患者さんに視力・聴力・味覚といった感覚器の障害は 時々みられます。 ただし、いずれの症状にしても、すべてを透析のせいにしてしまうのではなく、 別の病気が隠れていないか、それに対していい治療法がないかどうか、 眼科や耳鼻科を専門にしている先生に診てもらうことが重要だと考えます。 ぜひ診察をしていただいてください。 ●視力の低下について 視力の低下が、透析患者さんに特有の症状かといえば、 それは違うような気がします。 視力障害の原因としては、白内障・緑内障・ 眼底出血・網膜剥離などといった目の病気がありますが、 これらの病気は、透析を受けていない人たちにもみられるものです。 腎臓を悪くされた原因が糖尿病の方たちには、上記の目の病気が しばしば合併し、視力の障害が問題になることが多いのですが、 糖尿病でない方にこれらの視力低下が多いという印象は持っておりません。 ●耳鳴りについて これはとても難しい症状です。 透析をお受けになっているかいないかの関係なく、多くの耳鳴りは 原因がよくわからず、また、有効な治療法もないことが多いのです。 手元の文献を調べてみましたが、透析患者さんに耳鳴りが多い、 というものは見つかりませんでした。 私がこれまで診てきた印象でも、透析患者さん耳鳴りが多いという感じはしません。 ただ、耳鳴りとは異なりますが、「耳閉感」といって、トンネルに入った時に よく経験する「耳が詰まる感じ」は透析をお受けになって、たくさん除水をすると 起きることがしばしばあります。 このような場合には、透析と透析の間の体重増加を極力少なくする (つまり水分制限ですね)か、可能であればドライウェイトをあげることによって 対処することが可能です。 ●口内の苦味の感覚が抜けない これは透析患者さんによくみられる合併症です。 おそらく尿毒素が悪影響をおよぼしていると考えられますので、 透析効率を強化し、十分に毒素を除去するようにしますが、 これでも口の中の苦みがとれない方がたくさんいらっしゃいます。 亜鉛不足が味覚障害の原因となることが知られていますので、 亜鉛の補給をすることがありますが、これも無効であることが珍しくありません。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q19]「血液透析」「腹膜透析」「腎移植」のそれぞれのメリット、デメリットを教えて下さい。

    [回答] 末期慢性腎不全の治療法の3つの柱が、「血液透析」「腹膜透析」「腎移植」です。 よく知られているとおり、日本では、ほとんどの患者さんは血液透析をお受けになっており、腹膜透析(CAPD)を受けていらっしゃる方は約4%に過ぎません。また、腎移植もなかなか普及していないのが実情です。 それぞれの治療法には、よい点とそうでもない点があります。 どの治療法を選ばれるかは、慎重に、そして主治医の先生と十分な時間をとって相談して、お決めになって下さい。 ■ 血液透析のメリット ある程度、医療従事者におまかせの治療です。 もちろん自己管理は必要ですが、血液透析という治療そのものは、医師・看護師・臨床工学士といった 医療従事者が行います。したがって、治療中はテレビをご覧になったり、ゆっくり休まれたりできるのです。 くどいようですが、「おまかせ」と言っても、自己管理は絶対に必要です。 わが国ではもっとも普及している治療法です。 先にも述べましたが、末期腎不全の患者さんのうち、95%以上の方が、血液透析をお受けになっています。 おなじ治療をお受けになる患者さん同士の交流なども腹膜透析よりは盛んな印象で、インターネットを 利用した情報交換についても、手に入れやすいように思われます。 歴史の裏付けがあります。 腹膜透析に比べて、血液透析の方が古くから行われてきた治療法です。 そのために、技術的にも確立した部分があって、その意味では安心感があります。 血液透析を30年間お受けになっている方がおいでですが、CAPDを30年間お受けになっている方は、まだいらっしゃらないのです。 ■ 血液透析のデメリット 時間的制約があります。 治療には標準的な方法で4時間、その方のデータによっては5時間を超える時間が必要です。その治療が週に3回必要なのですから、時間的な制約はかなり大きなものです。例えば、仕事をお持ちの方で、残業ができない、旅行や出張がしにくいなどといったことが、問題となるかもしれません。 ただし、旅行に関しては、旅先の地域の透析施設で血液透析をお受けになる方法があります。それでも、観光の時間などが減ってしまうわけですから、やはり時間的制約は大きなウェイトを占めます。 週3回の通院が必要です。 上の時間のこととも関連するのですが、多くの方は週3回の透析が標準的な治療ですので、その回数、通院をする必要があります。お近くに透析を行っている医療施設がない場合には、通院も大きな負担となり得ます。 腹膜透析に比べると、厳密な食事制限が必要です。 これは、あくまでも比較の問題です。CAPDでも食事の制限や水分制限が必要なことがままありますが、 どちらかといえば、血液透析の方が厳重な食事管理、水分制限を必要とします。 特に、血液透析の場合にはカリウム(生野菜やくだものに多く含まれます)の制限が必要となる方が多いのです。 ■ 腹膜透析のメリット 残存腎機能が保たれやすい治療法です。 透析治療が必要になった段階では、まだその患者さんの腎臓にも機能が残っているのが普通です。 その残存腎機能を、なるべく長い期間大事にしていきたいのですが、血液透析と比較して、CAPDは残った腎臓の機能が長持ちしてくれる印象です。 ただし、これには前提条件があって、ある程度腎機能が残っているうちに、CAPDをはじめた場合の話です。 家庭で行うことができます。 CAPDは家庭で(あるいは職場や学校で)行うことができる治療です。そのために、仕事が忙しい方や、学生の方などにはむいている面があります。 また、機材を一緒に運ぶ必要がありますが、旅行もある程度自由にできます。 食事や引水がある程度自由です。 これは血液透析のデメリットのところでふれました。ただし、CAPDを長期に行って、腹膜のはたらきが 悪くなってくると、カリウムの制限や水分の制限が必要となってきます。 体に優しい治療です。 これもあくまで血液透析と比較して、ということですが、治療中に血圧が下がってしまって大変になったり、 頭痛がしたり、ということがほとんどありません。 例えば、心臓が悪くて、血液透析が行えない患者さんなどには腹膜透析が選択されます。 通院が少なくてすみます。 血液透析とちがって、通院は週に1回からつきに1回程度ですみます。そのため、時間的にも、あるいは交通費などを 考えても負担がグッと少なくなります。 ■ 腹膜透析のデメリット 何といっても自分で行う治療です。 人任せには決してできません。 毎日の治療で行う操作には、多少なりとも緊張感を必要とします。また、この治療操作を覚えていただくために、きちんとした教育システムを持っている医療施設で、勉強をしていただかなくてはなりません。 CAPDが行えない人がいます。 CAPDの場合には、おなかにカテーテルという管を植える手術をして、その管を通じて治療用の液を おなかの中に入れたり出したりします。 そのため、おなかの手術(特に大きな手術)を受けたことのある人などは、この管を植えたり、おなかの中に液を入れたりできないことがあります。このような場合には、ご本人が希望されてもCAPDは行うことができません。 今のところ、長期の治療ができない可能性が大きいです。 CAPDの一番の問題点と言っていいでしょう。 治療をはじめておよそ5年くらいで(個人差が大きいですが)、腹膜のはたらきが悪くなってきて、十分な治療ができなくなります。そうなると、腹膜透析は断念して、血液透析に移行していただくことになります。 また、未解決の問題に「被嚢性腹膜硬化症」という合併症があります。これは、EPSとかSEPと略されます。 治療を長期に続けるうちに、あるいは腹膜炎などが引き金となって、腹膜が厚くなってしまい、腸の動きが 悪くなってしまう合併症です。最悪の場合には、生涯絶食となって、栄養分はすべて点滴で補う必要が 出てくるかもしれません。もちろん、この合併症がすべての方に起きるわけではありません。 CAPDには注意深く慎重な治療が必要だ、ということです。 ■ 腎移植のメリット 本物の腎臓です。 変な言い方ですが、「本物の」腎臓がどれだけ素晴らしい働きをしているか、血液透析やCAPDでは遠く及びません。 血液透析にしろ、CAPDにしろ、腎臓が悪くなってしまったとき、その腎臓の働きを肩代わりする(代償する)治療です。 治療法もずいぶん進歩してきました。けれども、やはり本物の腎臓の働きと比べたら、まだまだなのです。 ですから、透析治療が長期に及ぶとさまざまな合併症が出てきますが、移植をお受けになるとこれらの合併症のうち、 あるものは治ってしまう(あるいは軽くなる)ことがよく経験されます。 もちろん透析という、治療から解放されます。 ■ 腎移植のデメリット きちんとした服薬が欠かせません。 どのような治療法であれ、自己管理やきちんとクスリをのむことは大切なことなのですが、とりわけ腎移植の場合には、このことが重要です。 せっかく移植を受けた大切な腎臓を長持ちさせなくてはいけませんよね。そのためにはクスリののみ忘れなど、決してないようにしなくてはなりません。 クスリの副作用があります。 移植に用いられるクスリは、免疫抑制剤なのですが、さまざまな副作用が出現します。例えば、副腎皮質ホルモン (ステロイドとも呼ばれます)の副作用としては、感染症、肥満、ニキビ、骨が弱くなる、胃潰瘍などがよく知られています。 けれども、最近はこれらのクスリの使い方が確立してきていています。副作用をおそれるあまり、 自己の判断でクスリを減量してしまうようなことがあれば、そちらの方が命取りです。 主治医の先生の指示にきちんと従って、治療をお受けになることが肝要です。 チャンスが限られています。 これが一番の問題ではないでしょうか。 腎臓を提供してくれる方がいらっしゃる方は本当に少ないのです。 [回答日 2002/5/19]

  • [Q18]68歳の年金生活者です。今年になり透析をはじめました。障害年金はうけられるのでしょうか?

    [回答] 年金は、65歳未満の段階で障害年金を うける状態となっていないと受けられませんので、68歳で透析をはじめまた場合は、現在お受けになっておいでの 老齢年金だけになってしまうものと思います。 [回答日 2002/5/19]

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